2009/6/26 金曜日

「エコ」?

Filed under: REFLECTIONS — admin @ 20:21:37

 

リチャード・ハインバーグ(Richard Heinberg)の非常に洞察に溢れたインタビュー動画を御紹介したい。

 

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周知のように、今日、持続可能性(sustainability)の重要性が広範に認知され、社会の諸領域で対応策が練られている。

 

とりわけ、経済界は、これを好機としてとらえて、政府と協力して積極的に活動を展開している。

 

諸々のメディアを動員したキャンペインは、この数年のあいだに、「エコロジー」を時代の流行に押しあげることに成功した。

 

NHKの放送では、「明日のエコではもう遅い」という強迫的なことばが呪文のようにくりかえされ、「エコロジー」ということばを「神聖化」することに成功している。

 

確かに、厳密な意味におけるエコロジーは、複雑系としての生態系のダイナミクスに着目する非常に高度な認知構造を要求する学問であり、そうした認知構造が広範に共有されていない状況において、治世者がマスメディアを動員して、そうした「呪文」を配信することをとおして、特定の空気を醸成することには意味があるのかもしれない。

 

しかし、そうした空気に対して違和感を覚えているひとも実は多数いるのではないだろうか。

 

また、歴史的には、大衆操作を目的として意図的・戦略的に宣伝されていた「プロパガンダ」が徐々に治世層までをも思考停止状態に絡めとるという目撃を経験している。

 

たとえそれが善意にもとづくものであろうとも、集合規模で思考停止状態を醸成することは、結局のところ、冷めやすい熱狂と蒙昧を生みだすことにしかならないのではないだろうか……

 

いずれにしても、「エコロジー」ということばが「神聖」なものとして祭り上げられるとき、そこでは必ず大規模な思考停止が発生することになる。

 

個人的に最も懸念するのは、今日、「エコロジー」ということばが急速にそうした思考停止を称揚する呪文に変容しつつあるということである。

 

例えば、「定常経済」(Steady State Economics)の関係者が主張するように、今日の人類の持続可能性の危機の要因のひとつは、この惑星が有限なものであるという基本条件に人類が立脚することができていないということである。

 

実際、殆どの場合において、「エコロジー」ということばが利用されながらも、そこでは、「無限成長」という惑星の有限性の拒絶にもとづいた思想が擁護されつづけている。

 

そこでは、持続可能性の実現を阻む現代の大量消費型文明の前提条件が全く問われていないのである(こうした積極的な無意識は、例えば、今、新施策として実施されている「エコ・ポイント」なるものに典型的に示されているように思われる)。

 

そこでは、大量消費活動を惑星規模で維持するために、代替エネルギーの開発が鼓舞・称賛されるが、しかし、われわれが全精力を傾注して維持しようとしている「大量消費主義」という発想と行動の構造そのものは批判的に問われていないのである。

 

つまり、上記のインタビューでリチャード・ハインバーグが洞察するように、人類は、同時代の危機にたいして、あくまでも供給(supply side)を強化することをとおして対応しようとしているのである(また、そこでは、豊富な代替エネルギーが、そうしたエネルギーを駆使して、多様な自然資源の消費を高速度化することについては全く意識されていない――これは持続可能性を確立するうえで重要検討事項となるLiebig’s Lawが無視されているということである)。

 

それは、需要(demand side)を減少することの必要性にたいして一顧だにしないのである。

 

そして、ハーマン・デイリー(Herman E. Daly)が洞察するように、正にそれこそが現代社会のタブーなのである。

 

(「不都合な真実」(An Inconvenient Truth)(Davis Guggenheim監督)は、エコロジーの促進が経済的繁栄をもたらすと主張することをとおして、そうしたタブーを冒すことを巧妙に回避したと思う。換言すれば、作品がこれほどまでにひとびとのこころを掌握することに成功したのは、それが大量消費型文明の前提条件を擁護する姿勢に一貫して支えられていたからだということである。)

 

いうまでもなく、こうした今日のエコロジーの虚偽は、「フラットランド」(Flatland)の影響のもと、必然的に結果するものといえるだろう。

 

フラットランドとは、解決策とはあくまでも外面(例:技術革新)に見出されるべきものであると発想する。

 

そこでは、そうした斬新な解決策を必要とする危機的状況を生みだした内的な要因そのものを意識化して、それそのものを問いなおそうとする発想は拒絶される。

 

今日、経済界の牽引のもと、国内・国外で展開するエコロジー運動が、あまりにも外面的なものであるのは――そして、それゆえに非常に虚偽に充ちたものであるのは――それが徹底してフラットランドの世界観にもとづいて運営されているからなのである。

 

今日、あまりにも感傷的・感覚的に「エコロジー」という呪文に酔い痴れる同時代の空気に対して違和感を覚えるその感覚は、実は正鵠を射たものであると思われるのである

2009/6/25 木曜日

インテグラル・エコロジー関連動画

Filed under: Resource — admin @ 16:44:04

 「インテグラル・エコロジー」(Integral Ecology)の執筆者であるMichael E. Zimmermanの映像を御紹介します。

 

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2009/6/23 火曜日

知性を基点として

Filed under: REFLECTIONS — admin @ 12:21:19

一般的には、インテグラル思想に興味をいだくひとは、「知性」(mind)を基点として、そこから他領域に興味を展開していくというパターンをとる場合が多いようである。先ず全体像を把握したうえで、BodyMindHeartSpiritShadow等のそれぞれの領域の位置と意味を理解して、そして、それから各領域を探求するという順番で探求と実践の活動を展開していくのである。その意味では、これらのひとびとは、闇雲に体験を求めるのではなく、そうしたものの意味を咀嚼するという、探求活動の必須条件をそなえた優秀なひとびとであるといえるだろう。

 

しかし、これまで多数の研修や訓練を企画・主催してきた経験にもとづいて印象を述べるとすれば、知性を基点として他領域に実践活動を展開していく際、そこには知性を意識的に放棄するという大きな課題が立ちはだかるようである。往々にして、知的な理解はそれそのものとして確固とした納得感をもたらしてくれるので、そこで自己完結してしまう危険をもつ。こうした幻影を克服するためには、知性を基点としながら、尚、知性の限界を認識して、それを積極的に放棄するという能力が必要とされる。

 

今週末に開催される下記の研修は、その意味では、そうした能力を鍛錬するための格好の窓口になりえると思うので、是非御紹介しておきたい。

 

 

20096 オープン・ワークショップ

インテグラル・アート・セラピー2

 

あなたは、気持ちや思いを表現することが苦手ではありませんか?

 

もしかしたら、それ以前に、自分の否定的な感情を怖れて避けているために、今自分がどんな気持ちなのか、どんな感情が湧き起こっているのかを、適確に把握することができにくくなっているのかもしれません。

 

確かに、生活や仕事の場面で急激に湧き起こる情動は、生理的な感覚を刺激することで、平常心を揺さぶり思いもかけない状況を作り出すこともあります。でも同時に、私達の毎日に彩りを添え、生きるすばらしさを教えてくれるのも、感情や気持ちの動きであることも事実です。

 

今回のワークショップでは、意識上では明確に捉えにくい気持ち・感情を、身体感覚やイメージを通して、アートやムーブメントで表現していきます。そして、その表現行為が、感情や気持ちを変容させ、深めていくプロセスであることを実感します。さらに、他者や環境との情緒的繋がりをも体験できる機会になるでしょう。

 

統合的なアプローチを取り入れた表現ワークを実践する事で、創造的感性を拓き、より豊かで歓びに満ちた暮らしや関係性を育む事ができるのです。

 

こんな人にお薦め:

 

自分の気持ちや感情と上手く付き合っていきたい方

無理のない関係性を築きたい方

創造的表現を開拓したい方

感性を育み暮らしに彩り添えたい方

情緒的なコミュニケーションを豊かにしたい方

遊び感覚を楽しみたい方

 

講師プロフィール

 

依浮 とし子(アートセラピスト、インテグラル・ジャパン・ファシリテーター)

2006年以来、Integral Transformative Practice(統合的変容のための実践、ILPと同義)の実践グループで鈴木 規夫とともに共同ファシリテーターを務める。夢、絵画、ドラマ、ムーブメントなどを用いたセラピー/グループワークに豊富な経験を有し、創造的で柔軟なファシリテーションと、安心してじっくりと自分の課題に取り組める場づくりに定評がある。

 

日時・場所・参加費

日時:2009628日(日)13:3016:30(開場13:15

場所:北区複合文化施設 北とぴあ 第1和室

   王子駅(JR京浜東北線)徒歩2

   http://www.kitabunka.or.jp/data/sisetu/

 

参加費:会員 事前振込2,700円(開催日より2営業日前まで)、当日現金払3,150

    一般 事前振込3,000円(開催日より2営業日前まで)、当日現金払3,500

     定員に到達次第締め切ります。なるべく事前にお申込み下さい。

 

http://www.integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop06.htm

 

     会員(IJ Members)への申し込みはこちらで受け付けています。      

 

http://www.integraljapan.net/info/ijmembers.htm

 

定 員:20

 

主催:インテグラル・ジャパン(株)

http://www.integraljapan.net/

2009/6/21 日曜日

「地球が静止する日」

Filed under: Resource — admin @ 15:49:38

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先日、「地球が静止する日」(The Day the Earth Stood Still)(2008)を鑑賞した。

 

驚異的な生物多様性を維持することのできるこの惑星を人類の破壊から保護するために、人類の抹殺を意図して地球を訪問する異星人との交流を描く物語である。

 

物語は、ジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)演じる主人公が、キアヌ・リーヴス(Keanu Reeves)演じる異性人に「愛」という人類の善性を提示することをとおして、その「改心」を惹き起こすことで、人類の滅亡を回避することに成功するというものである。

 

緊張感に充ちた前半が終了して、後半にはいると、作品は急速に陳腐な感傷的物語に堕していくのだが、それは、上記のような物語の解決の仕組があまりにも短絡的な人間観に立脚しているからであろう。

 

例えば、Harvard UniversitySteven Le Blanc2004)が著書Constant Battles: Why We FightNew York: St. Martin’s Griffin)のなかで明示しているように、戦争等の人間の「侵略」と「破壊」の行為(生態系破壊は本質的に他生物種の生活環境に侵略して、その資源を略奪する行為である)とは、人間が愛という能力を内包しているからこそ惹き起こされるものである。

 

愛とは、人間が生物として生得的に内蔵している拡張の衝動である。

 

それは、自己を中心として、世界と他者にむけて自己のアイデンティティを質的に拡張していく働きであり、また、プロセスである。

 

Le Blancが説明するように、人間は、こうした「拡張の衝動」を自己の特性としてもっているからこそ、自己の愛するひとびとのために豊かさを追求して活動を展開するのである。

 

しかし、実際の生態系は有限なものであり、そうした活動は必ず他共同体(もちろん、ここには他生物の共同体も含まれる)と有限資源をめぐる衝突を醸成することになる。

 

その意味では、生態系破壊とは、決して破壊を意図しておこなわれるものではない。

 

むしろ、自己の愛する存在の幸福を保証しようとする人間の善性にもとづいた行動が結果として惹き起こしているものなのである。

 

こうした洞察はそれほど高度の知性を要求するものではない。

 

「地球が静止する日」という作品の問題は、正にこの惑星において人間存在を束縛する葛藤にたいする基礎的な洞察さえ踏まえることができていないということなのである。

 

例えそれがハリウッドの娯楽映画に過ぎないとしても、しかし、それが主題として設定している問題を鑑みるとき、鑑賞者がそこに最低限の知性のはたらきを期待するのは当然のことだろう。

 

SFという形態を採っているが、この作品は、実はその作品世界を鑑賞者の現実世界と非常に近いところに設定しようとしている。

 

それゆえに、今日、多数のひとびとが常識として承知している問題の複雑性にたいする洞察を完全に欠いていることは、即ち、作品が娯楽作品として成立するための必要基盤を欠如していることを意味しているのである。

 

個人的には、あまりにも高踏的に藝術作品であろうとする作品よりも――実際、そうした自意識に溢れるアート・ハウス系の作品というのは無数にあるが、実に鼻につくものである――視聴者を娯しませることに特化したハリウッドの娯楽作品の方が好みである。

 

そして、映画というのは本来そうしたものであるべきだと思う。

 

しかし、「藝術作品」であるよりも「娯楽作品」であることのほうが、実は格段にむずかしいことである。

 

それは、多数の優秀な映画作家が述べているところでもある。

 

「藝術作品」であれば、視聴者は映画作家の世界観と対話をするこころづもりで作品とたいしもするが、「娯楽作品」においては、視聴者側にそうした積極性を期待することはできない。

 

「娯楽作品」は、自己の作品世界を自己の立脚するジャンルの諸々の約束事にもとづいて(もちろん、それはそれらの約束事を無批判に踏襲するということではない)、視聴者の知性と感性を侮辱することのない魅力あるかたちで提示しなければならないのである。

 

それは、伝統の継承と伝統の刷新を統合する非常に高度の能力を要求するのである。

 

今、国内の多数の映画作家が「藝術映画」に逃避しているのは、理由があるのである。

 

 

Sean Esbjörn-Hargensが指摘するように、生態系破壊をはじめとするエコロジーに関する問題は本質的に複雑性の問題である。

 

人間が自己の善性を発見・発揮すれば解決されるというような単線的な発想にもとづいて解決されるようなものではないのである(因みに、同様の単線的な発想は、例えば、人間が平和を希求すれば、平和が実現されると主張する平和主義にも見出される)。

 

この映画作品は、そうした観点を欠如するとき、そこに発想される解決策がいかに無意味なものとなりえるかを示したものといえるだろう。

2009/6/16 火曜日

インテグラル・ジャパン・オープン・ワークショップ:インテグラル人生コンセプト講座

Filed under: Announcement — admin @ 17:34:42

インテグラル・ジャパン・オープン・ワークショップ

 

インテグラル人生コンセプト講座

講座の内容

人生コンセプトのワークショップは、日々流されてしまいそうな自分に意味ある葛藤の時間を与え、納得という感覚に行き着くための講座です。インテグラル理論のフレームワークを活用しながら、自分の人生を客観視し、今回は全体を「将来―現在」×「内面―外面」の4つのゾーンで人生コンセプトを組み立てます。フォーマットを記入しながら行うので、自分のペースで気づきを得られるワークショップ型の講座です。

 

この講座が持つ背景

誰もが理想の自分と現実の自分の狭間で揺れ動いて生きています。そこには葛藤があり、だからこそ、成長もあります。人生が計画通り行かないのは周知の通りです。旅行のような日程を立てたところで、全く異なる旅になってしまうのが人生ではないでしょうか。しかし、「当てにならない計画なんかいらない」と言い切れる人はほとんどいませんね。すると、「今この時点での自分を未来に向かって、自分なりの納得を自分に与えてあげること」、できることはこれだけかも知れません。こんな背景をこの講座は持って開催されます。

 

この講座に参加する人のメリット

「五年に一回は自分の人生コンセプトを見直そう!」をテーマにしています。なぜ、5年かというと、人が成長し、次の自分に変容するのにかかるのに必要な年数が5年と言われているからです。さて、この講座では人生コンセプト作成フォーマットの使い方についても解説します。ですから、個々人で再度活用することもできます。五年後も是非、使ってみてご自身を見比べてみてください。

 

この講座が想定している受講者

  • 仕事に追われ忙しくしているが、「ここのまま人生が過ぎていくのは危険」という漫然とした不安を持っている人
  • これから自分が目指す方向は決めたものの、それが本当に正しいのか確認したい
  • 人生指南書を沢山読んでみたが、どうも具体的に自分の中に落ちてこないと感じている人

 

講師プロフィール

派山 蒼一(はやま そういち)経営コンサルタント

1960年生まれ。慶応義塾大学卒。インテグラル思想をビジネス世界で応用した経営コンサルティングを約10年間してきている。企業というコミュニティと社員という個人の関係を現場で追及する活動を通じ、「集団と個人の価値の交換を高める」を誰もが扱えるように客観化する活動を行っている。フォーマットやチャートを活用し、分かりやすさと楽しさを信条としている。

 

日時・場所・参加費

日時:2009829日(土) 13:3016:30(開場13:15場所:品川区立総合区民会館きゅりあん第3講習室

大井町駅(JR京浜東北線,東急大井町線)徒歩2http://www.shinagawa-culture.or.jp/

参加費:

IJ Members:事前振込2,700円(開催日より2営業日前まで)

  当日現金払3,150

        :事前振込3,000円(開催日より2営業日前まで)

  当日現金払3,500

※定員に到達次第締め切ります。なるべく事前にお申込み下さい。※会員(IJ Members)への申し込みは下記URLで受け付けています。

 http://integraljapan.net/info/ijmembers.htm

定員:20

主催:インテグラル・ジャパン株式会社(http://integraljapan.net/

インテグラル・エコロジー関連動画

Filed under: Resource — admin @ 17:03:17

インテグラル・エコロジー関連動画

http://vimeo.com/user1371888/videos

  • Introduction to Integral Ecology - Ken Wilber
  • Perspectives and Human Worldspaces Part 1 - Michael Zimmerman
  • Perspectives and Human Worldspaces Part 2 - Michael Zimmerman
  • 4Q x 3 = Lake - Sean Esbjörn-Hargens
  • The What, How, and Who of Ecology - Sean Esbjörn-Hargens

2009/6/15 月曜日

7月ケン・ウィルバー研究会 - 参考資料要旨

Filed under: Resource — admin @ 21:44:07

20097ケン・ウィルバー研究会

参考資料要旨

 

Sean Esbjörn-Hargens and Michael E. Zimmerman (2009). An Overview of Integral Ecology: A Comprehensive Approach to Today’s Complex Planetary Issues. Available at: http://integrallife.com/files/Integral_Ecology_3-2-2009.pdf

 

今日、エコロジーは研究領域として多数のアプローチを内包する学問に成長している(著者によれば、200以上のアプローチが存在するという)。しかし、それらの多様なアプローチは、しばしば、自らの独自性を既存のアプローチと過剰に対峙することをとおして規定しようとするために、アプローチ間に距離と障壁を生じさせている。こうした状況は必然的に関係者(例:研究者・実践者・教育者)に大きな混乱をもたらしている。

今世紀における人類の最大の重要・緊急の課題であるエコロジーに建設的にとりくむうえで、今、こうした混乱を解決するためのフレイムワークが必要とされている。インテグラル・エコロジー(Integral Ecologyは、多様なアプローチがそれぞれ独自の重要な価値を有するものであることを認識しながら、それらを「現実的・実務的」(“pragmatic”)な形態で相互に関連づけるためのメタ理論として機能する。

 

具体的には、Integral Ecologyにおいては、下記の事項が留意される:

·           観察主体(who

·           観察方法(how

·           観察対象(what

また、Integral Ecologyは下記の形態を採ることができる:

·           Disciplinary approach

·           Multidisciplinary approach

·           Interdisciplinary approach

·           Transdisciplinary approach

詳細については、Zachary Stein (2007). Modeling the Demands of Interdisciplinarity: Toward a Framework for Evaluating Interdisciplinary Endeavors. Available at: http://integral-review.org/documents/Stein,%20Modeling%20the%20Demands%20of%20Interdisciplinarity%204,%202007.pdf を参照いただきたい。

 

AQAL

 

Integral Ecologyはケン・ウィルバー(Ken Wilber)の提唱する「四象限・四領域」(the Four Quadrants)を使用する。各領域は観察主体が用いる4つの視点(perspective)である。尚、インテグラル・エコロジーにおいては、観察主体としては、人間のみならず、生態系の生物・植物が想定される。

インテグラル・エコロジーにおいて、AQALの各領域は下記のように説明される:

·           UL:意図(主観)……経験の領域

·           LL:文化(間主観)……文化の領域

·           UR:行動(客観)……行動の領域

·           LR:社会(間客観)……システムの領域

 

200+ perspectives

 

エコロジー問題という本質的に非常に複雑な問題にとりくむときに、可能な限り多くの視点を考慮することが重要となる。排除された視点は、「構想」や「計画」に歪みをもたらすだけでなく、また、認知・統合されることを要求して、しばしば様々な機能不全として顕在化することになる。

こうした危機を回避するために重要となるのがIntegral Methodological PluralismIMP)である。これは、AQALを合計8つの領域に分割して、各領域を機軸とする方法論を包括的に採用することを可能とする。IMPを貫く法則には下記の3つが存在する:

·           Inclusion:複数の視点と方法を公平に尊重・活用する

·           Enfoldment:複数の視点・方法をとおして開示された情報を優先順位付けする

·           Enactment:「現実」(reality)というものが認知主体の認知活動をとおして認識されるものであることを認識する

これらの法則は、総体として、「現実」というものが、観察者が具体的な観察の方法を用いて世界・自然の特定の部分・領域を観察することをとおして「生成」(enact)されるものであることを認識する。換言すれば、「現実」とは“who”“how”“what”という要素が相互に関連するなかで形成されるものであるといえるのである。

IMPにもとづいて構築された構想や計画は、実際の活動段階においては、関係者(利害関係者)に伝達されることになるが、そのときに、それぞれの「世界観」、あるいは、「行動論理」が考慮され、それに合致したかたちに包装されることが必要となる。

2009/6/12 金曜日

ケン・ウィルバーの最新のインタビュー

Filed under: Resource — admin @ 0:40:11

 

 

思想家ケン・ウィルバー(Ken Wilber)の最新のインタビューが下記のURLに掲載されているので、御紹介しておきたい。

 

http://www.odemagazine.com/doc/62/ken-wilber-communication

 

2009/6/9 火曜日

ILP BASIC説明会のおしらせ

Filed under: Announcement — admin @ 13:32:15

インテグラル・ジャパンでは、20091024日~1025日に東京でILP(インテグラル・ライフ・プラクティス)の基礎ワークショップ・ILP BASICを開催します。つきましては、下記の日程でその説明会を行います。

 

ILPの基礎概念、及び、ILP BASICの概要について説明をいたしますので、御気軽に御参加ください。

 

l  720日(月祝) ILP説明会 きゅりあん第2特別講習室

l  831日(月)  ILP説明会 きゅりあん研修室

l  914日(月)  ILP説明会 きゅりあん第2特別講習室

*参加費:無料

*開催時間:全て19:0020:00 p.m.

*各回の内容は基本的に同一の内容です。御都合のよい回に御参加ください。

 

________________________________

 

l  ILP(インテグラル・ライフ・プラクティス)とは……

・思想家・実践家であるケン・ウィルバーが、自らの提唱するインテグラル理論にもとづいて構築されたものです。

・一時的な精神の高揚などの表層的な意識状態の変化ではなく、個人の深層的な変革と成長を目指す統合的な方法です。

・現代の多忙な生活のなかで、効果的な実践にとりくむことを可能とする方法です。

・「体」(Body)・「心」(Mind)・「魂」(Spirit)・「影」(Shadow)の領域を網羅する包括的な実践を行います。

 

  ILP BASIC

ILPについて効率よく学ぶことのできる、2日間の集中コースです。ILPの基礎を学び、実践のデザインをあなた自身が行うことができるようプログラムされています。インテグラル理論の統合的な枠組に基づき、自己の現状を確認した上で、今後の実践と生活の充実を実現するための具体的な支援を提供します。

 

こんな方にお勧め

*日々の生活や努力が自分の成長に結びついている実感が湧かず、もどかしい思いをしている方

*単なる気分の変化や一時的な効果を得るのではなく、深いレベルでの意識変革・成長を目指したいと思う方

*個人、家庭、仕事、社会の分野で直面する問題を解決し、リーダーシップを発揮していきたいと思う方

*何を目標に、どのように自分を磨いていけば良いのかという、あなたに合った実践方法を明らかにしたい方

*トラブルや自己中心性を生む自己の意識の偏りを克服し、各領域を統合する視点の獲得を目指したいと思う方

*ボディ・マインド・スピリットの全ての側面でより健やかになり、深みのある存在になりたいと思う方

 

開催日:20091024日(土)&1025日(日)

10:0017:00(開場09:45

開催場:BumB 東京スポーツ文化館

東京メトロ有楽町線、JR京葉線、りんかい線、『新木場駅』下車、徒歩10

URLhttp://www.ys-tokyobay.co.jp/koutsu.html

 

日程

1

1.           ILPの基礎概念(講義・討議)

2.           ILPデザイン(状況確認)

3.           Integral Life Vision

4.           ILPデザイン(今後の実践内容の構想)

5.           AQAL Analysis

 

2

1.           インテグラル・メディテーション

2.           インテグラル・シャドー・ワーク

3.           インテグラル・ダイアローグ

4.           実践に関する個人相談

 

講師プロフィール

鈴木 規夫Ph. D. (インテグラル・ジャパン代表取締役)

人間の心理的発達と能力開発の領域において10 年以上にわたり研究と実践に取り組んでいる。企業組織における人材育成を主要な活動としており、主に発達段階の測定、リーダーシップ・パイプラインの構築、及び、エグゼクティブ・コーチングとリーダーシップ・トーイニングを担当している。2004 年にCalifornia Institute of Integral StudiesCIIS)で博士課程を修了。専門は、東洋と西洋の心理学(East-West psychology)。日本に帰国後、アメリカの現代思想家ケン・ウィルバーのインテグラル思想の普及のための活動を展開している。 2005 年より、個人の統合的成長を目的とする実践のプログラム(Integral Life Practice)、及び、組織文化の統合的変容のプログラム(Culture of Leadership Program)というインテグラル思想を基盤としたプログラムの実施に中心メンバーとして参加している。また、ケン・ウィルバーの主催するインテグラル・インスティトュート(http://www.integralinstitute.org)の創立メンバー。現在は、International Advisory Board の一員として参加している。

 

依浮 とし子(アートセラピスト、インテグラル・ジャパン・ファシリテーター)

2006年以来、Integral Transformative Practice(統合的変容のための実践、ILPと同義)の実践グループで鈴木 規夫とともに共同ファシリテーターを務める。夢、絵画、ドラマ、ムーブメントなどを用いたセラピー/グループワークに豊富な経験を有し、創造的で柔軟なファシリテーションと、安心してじっくりと自分の課題に取り組める場づくりに定評がある。

 

参加費

一般事前振込:36,000円(開催日より3日前まで)

会員事前振込:32,400円(開催日より3日前まで)

定員20名(定員に到達次第締め切ります。なるべく早めにお申込みください。)

 

主催インテグラル・ジャパン

151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷2-17-16-701

電話:03-6914-3425

URLhttp://integraljapan.net

E-mailinfo@integraljapan.net

7月のケン・ウィルバー研究会:インテグラル・エコロジー

Filed under: Announcement — admin @ 12:20:48

 

20097月のケン・ウィルバー研究会の開催情報を御案内します。 

 

この研究会では、現在、多数の研究者・実践者を巻き込みながら深化しつづけている「現代思想」としてのインテグラル思想の可能性について探求しています。 また、ウィルバーの主催するIntegral Institutehttp://www.integralinstitute.org/)を核として展開するインテグラル思想の最新の動向を参考にしながら、日本という文脈において、この思想を理解・実践するうえでの方法を共同して探求していきます。 

 

6月以降の研究会では、今年、Sean Esbjorn Hargensにより執筆された「インテグラル・エコロジー」(Integral Ecology: Uniting Multiple Perspectives on the Natural World. Boston: Integral Books.)を主要課題図書としてとりあげて、討議をしています。 

 

また、現在、横浜国立大学教育人間科学部地球環境課に在籍している渡邉 謙二氏に自然環境学に関する講義を御願いします。 

 

主要参考図書 

今回の研究会では、「インテグラル・エコロジー」の概要を把握するために、著者によりまとめられた下記の小論文を参考資料として使用します。

An Overview of Integral Ecology: A Comprehensive Approach to Today’s Planetary Issues

この資料は http://integrallife.com/files/Integral_Ecology_3-2-2009.pdf で無料ダウンロードできます。

参考URLhttp://www.integralecology.org/open

 

補足参考図書 

ケン・ウィルバー(松永 太郎 翻訳)(1998)「進化の構造」春秋社 

ハーマン・E・デイリー(2005)「持続可能な発展の経済学」みすず書房 

小澤 徳太郎(2006)「スウェーデンに学ぶ持続可能な社会:安心と安全の国づくりとは何か」朝日新聞社 

 

開催日時:726日(日)13:0016:30 

開催場所:東京都北区北とぴあ806会議室

http://www.kitabunka.or.jp/data/sisetu/map/map001.htm

東京都北区王子1-11-1

王子駅より徒歩2

参加費用:2,000 

 

参加資格:本研究会は、どなたでも予約なしで参加できますが、ケン・ウィルバーのインテグラル理論に関して、多少の知識があることを前提に運営されております。御理解のうえ御参加いただきますよう、お願い申し上げます。 

 

鈴木 規夫 Ph. D. 

インテグラル・ジャパン代表(http://www.integraljapan.net/

 

協賛:非営利活動法人 にじの絵のぐ(http://www.nijinoenogu.jp/

 

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