Integral Japan Mail Magazine Vol.33

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Integral Japan Mail Magazine
No. 33 (2010/03/22)
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【1】 インテグラル・コミュニティの若きリーダーとの対話を終えて〜鈴木
規夫
【2】 イベントのご案内
【3】 編集後記
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皆様、こんにちは。インテグラル・ジャパン株式会社の会員サービスである、
IJ Membersが発足してまもなく1年を迎えます。インテグラル・ジャパンでは、
IJ Members会員向けの情報誌Integral Lifeに掲載するため、ケン・ウィルバー、
ドン・ベックなど、インテグラル・コミュニティのリーダーにインタビューを
続けてまいりました。2010年度は、ウィルバーに続く世代のインテグラル・コ
ミュニティの理論家・実践者をご紹介していきます。メールマガジン第33号で
は、インタビューを終えた鈴木 規夫のエッセイを掲載します。

【1】インテグラル・コミュニティの若きリーダーとの対話を終えて〜鈴木規夫

 先日(三月一二日)、インテグラル理論の実務領域への応用において、第一線
で活躍をしている二人の研究者・実践者とのインタビューを実施しました。
  『インテグラル・シティ』(Integral City)の著者であるマリリン・ハミル
トン(Marilyn Hamilton)と『インテグラル・エコロジー』(Integral
Ecology)の著者であるショーン・ハーゲンス(Sean Hargens)の両氏です。
  彼等は共に長年の研究と実践にもとづいて、インテグラル理論を同時代の集
合的な課題と問題に応用するための方法論を呈示しながら、インテグラル・コ
ミュニティのリーダー的存在として、旺盛な活動を展開しています。
  インタビューの詳細な内容は二〇一〇年四月に刊行される『インテグラル・
ライフ』でご紹介をしていきますので、どうぞご期待ください。
  さて、合計三時間以上に及ぶ対話をとおして、個人的にとりわけ印象に残っ
たのは、今、ひとりの人間としての真摯な問題意識にもとづいて同時代の集合
的な問題を解決するための行動を展開しようとしている人たちが確実に世界規
模で生まれはじめているということでした。
  もちろん、これまでにも、環境保護や都市計画等の領域において、真摯な問
題意識にもとづいて研究と活動にとりくみつづけてきた人たちは多数存在しま
した。
  しかし、この二一世紀という時代に特徴があるとすれば、それは、必ずしも
そうした専門的な知識や技術をもたない、普通の人々が自らの日常生活のなか
に根を下ろしながら、同時にそうした文脈をこえたところで展開している「惑
星規模の課題や問題」を視野に収めることのできる意識をもちはじめていると
いうことです。
  たとえば、ハーゲンス博士は、昨年出版された『インテグラル・エコロジー』
が、その膨大さにもかかわらず、一般読者に思いのほか好意的に受けいれられ
ていることに驚きを覚えていると述べています。
  実際、読者のなかには、この『進化の構造』を凌駕するほどの大部の著作を
何度も読み返している読者がいるということに、「唖然とするような驚き」を
覚えると述べています。
  こうした時代の機運のなかで、インテグラル理論の枠組みは、今、世界中で
爆発的な速度で受容されています。
  インテグラル理論とは、ひとことで説明すれば、人間が生まれながらにそな
えている諸視点・諸能力を活性化して、それらを意識的・体系的に活用するこ
とができるようにするための枠組みであるということができます。
  つまり、窮極的には、インテグラル理論の本質とは、何かをあたらしく獲得
することではなく、既にあたえられているものを再発見するための叡智を活性
化することにあるのです。
  ケン・ウィルバーの『進化の構造』や上述の『インテグラル・エコロジー』
が世界中で多数の読者を獲得しえたのは、正にこうしたインテグラル理論の志
向性に起因しているといえるでしょう。
  これらの作品においては比較的に高度で複雑な内容が探求されているにもか
かわらず、読者は、常にこころの奥底で気づいていた「真理」に誘われている
という確かな感覚を感じることができるのです。
  そして、インテグラル理論の応用可能性の高さとは、正にこうした特長に支
えられているのです。
  急激な専門化が進行した状況において、今、私たちは極端な断絶の中に暮ら
しています。
  あまりの専門化は、わたしたちに世界をひとつのものとして包括的にとらえ
ることを困難にすることになります。
  また、強引にそうした包括的な把握をしようとすれば、そこではどうしても
過剰な単純化をすることになってしまいます。
  ときとして、それは退行的な視野狭窄を擁護する発想として定着することに
なりかねません。
  その意味では、世界の複雑化とは、成長と退行の両方向の衝動が集合規模で
衝突しあう非常に危険な時代であるともいえるのです。
  世界の複雑さを尊重しながら、尚且つ、世界をひとつのものとして統合的に
把握することができるためには、どうすればいいのか? ――インテグラル理論
はこの現代特有の課題にこたえを呈示しようとします。
  インテグラル理論は、人間が生得的・普遍的に有している能力に焦点を絞る
ことをとおして、この極端に複雑化した時代を生きるための必須の叡智を呈示
しようとするのです。
  人間には、回帰(coming home)することをとおして成長していくという性
質があるようです。
  しかし、進化のただなかにおいては、回帰とは、必ずしも過去にもどること
ではなく、あたらしい地平において自己の拠所を見出すというかたちをとるこ
とになります。
  その意味では、二一世紀においてわたしたちが求められているのは、進化の
先端において安息することのできる「拠所」を見出すということだといえるの
かもしれません。
  今年の『インテグラル・ライフ』では、そうした二一世紀の叡智の探求者の
洞察をご紹介できることと思います。

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のみの販売はいたしておりません)。会員誌のほか、ワークショップ受講料が
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の会員期限がまもなく満了します。2010年度(2010年4月1日〜2011年3月31日)
も引き続き会員サービスの利用をご希望の方は、2010年3月31日までに更新手
続きをお済ませください。期限までにお手続きいただけない場合は、改めて入
会金が必要になりますのでご注意ください。詳しくは、今月上旬にお送りいた
しました会員様あてメール、郵送物をご覧下さい。お知らせがお手元に届いて
いない場合は、お手数ですがinfo@integraljapan.netまでご連絡ください。

【2】イベントのご案内

1)ケン・ウィルバー研究会
(2010年3月22日(月・祝)13:00〜16:00 アトリエ・イフ)
詳細:http://blog.integraljapan.net/
*復刊なった『万物の歴史』を読む特別シリーズの最終回です。事前申込は必
要ありません。お気軽にお立ち寄りください。

2)女性のためのインテグラル・ライフ・サークル 3月の集まり
(2010年3月31日(水)19:00〜21:00 アトリエ・イフ)
詳細:http://womensintegrallife.seesaa.net/
申込:http://integraljapan.net/info/wilp_info.htm
*『グレース・アンド・グリット』の読書会を行います。お茶・お菓子付き。

3)インテグラル理論中級講座
(第1回:4月25日(日)、第2回:5月29日(土)、6月19日(土)各回13:30〜
17:00 アトリエ・イフ)
詳細・申込:http://integraljapan.net/info/seminar2010_tyukyu.htm
*インテグラル理論の概要は分ったが、自分の仕事や生活に実際に応用してい
くためにはどうしたらいいのか? を考えている中級者の皆様にお勧めの講座
です。受講条件あり。詳しくは弊社ウェブサイトにてご確認ください。

*メールマガジン第32号でお知らせしていた受講料のご案内に一部誤りがあり
ました。正しくは、以下の通りです。
受講料:
(3回分一括申込の場合)45,000円(一般)40,500円(IJ Members会員)
(1回ずつ申込の場合・各回)18,000円(一般)15,000円(IJ Members会員)

ご注意)受講料の事前振込をお受けするイベントの場合、弊社都合による開催
中止の場合を除き、振込後の返金・振替は承っておりません。ご予定をご確認
のうえ、お申し込みいただきますようお願いいたします。

【3】編集後記
本文でも特集しました通り、インテグラル・ジャパンでは、ただいま、『イン
テグラル・ライフ』誌の編集作業の真っ最中です。海外のインテグラルリーダ
ーのインタビューのほか、エッセイ、ワールドニュースなど、選りすぐったコ
ンテンツをお届けできるものと思っております。中でも、キュートな挿絵とと
もに楽しく読める『I子さんのインテグラル・ライフ入門』が私のお気に入り
です。第5号では、ボディ領域での実践の意義と留意点について、かなり専門
的な議論も交えて、でも分りやすく解説しています。IJ Members会員になる前
に、『インテグラル・ライフ』誌の内容をご確認になりたい方は、イベント会
場に見本誌を持参しておりますので、お声かけください(千葉)。

*ご意見、ご感想などはお気軽にどうぞ! info@integraljapan.net
*本メールマガジンの送付先アドレスの変更、及び、配信不要の方は、
info@integraljapan.netまでご連絡ください。

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インテグラル・ジャパン・メールマガジン No. 33
配信日:2010年3月22日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

*無断複製・転載を禁止します
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