Integral Japan Mail Magazine Vol.32

******************************************************************
Integral Japan Mail Magazine
No. 32 (2010/02/11)
*******************************************************************
-----INDEX-------------------------------------------------------
【1】待望の経験者向け講座! インテグラル理論中級講座
【2】鈴木 規夫によるインテグラル・コーチング・エッセイ:「統合的で
あること」
【3】その他のイベントのご案内
【4】編集後記
-----------------------------------------------------------------

皆様、こんにちは。またしばらくメールマガジンの発行間隔が空いてしまい申
し訳ありません。様々な見直しを進めていたため、今年のプログラムの確定と
ご案内に時間がかかっておりましたが、皆様にご案内できるものが固まってま
いりました。今年は、多くの方からご要望をいただいておりました、中級講座
がいよいよ登場します。それでは、そのインテグラル理論中級講座よりご案内
いたします!

【1】待望の経験者向け講座! インテグラル理論中級講座

ケン・ウィルバー(Ken Wilber)の提唱するインテグラル理論(Integral
Philosophy)は、現在、ひとつの思想としてだけではなく、世界各地において、
個人と集団を対象とした多様な実務的な活動のオペレーティング・システムと
して応用されています。これまで、日本においては、インテグラル理論の思想
的側面は紹介されてきましたが、そうした実務的な方法論としての側面はあま
り紹介されてきませんでした。しかし、近年、国内・国外において、そうした
実践活動がとみに実施されるようになり、その結果や成果が蓄積されるように
なりはじめています。そうした実践の成果の検証を通して、インテグラル理論
というものが、われわれの日常生活において具体的にどのように応用すること
ができるのかが明確になりはじめているのです。インテグラル理論中級講座で
は、そうした近年の成果を踏まえて、インテグラル理論を実践の枠組みとして
利用するための基礎をご紹介します。

多様な文化的な背景を有する人々の共同作業がますます要求される今日の複雑
化・多様化する社会に於いて、真に効果的な行動をすることができるためには、
統合的な視点が必須のものとなるといわれます。現在、カウンセリグ・コーチ
ング・コンサルティング・マネジメント・教育等の領域に於いて、クライアン
トの成長支援や能力開発に携わっている方々にとり、こうした統合的視野を確
立しておくことは、非常に強力な武器となります。この中級講座では、そうし
た統合的視野を確立するための支援を提供します。

第1回:統合的な状況分析(Integral Intake)
クライアントとの共同作業において、クライアントの状態とクライアントを取
り巻く状況を包括的に把握することは、効果的な支援を提供するうえで必須の
条件となります。第1回では、インテグラル理論にもとづいた状況分析の方法
を概観します。

第2回:統合的なリスク管理(Integral Risk Management)
各発達段階は独自の叡智と盲点に特徴づけられます。クライアントとの共同作
業において、クライアントの発達段階(行動論理)を把握し、その叡智を引き
出し、また、その盲点を意識化することは、適切な支援を提供するうえで非常
に重要となります。第2回では、インテグラル理論にもとづいた危機管理の方
法を概観します。

第3回:インテグラル・コーチングとは?(Integral Coaching)
インテグラル・コーチングは、インテグラル理論にもとづいた統合的な他者支
援の方法論です。その包括的・深層的な視点にもとづいたコーチング手法は、
現在、最先端の方法論として注目を浴びています。第3回では、このインテグ
ラル・コーチングの内容を概観します。

尚、当講座は、各参加者の具体的な興味や関心を採りあげて、それについての
議論や対話を交えながら進められていくことになります。こうした対話の質を
維持するために、定員を15人とさせていただきます。

開催場所:
アトリエ・イフ・シーエーティー
世田谷区奥沢6-27-2 アーバンSKビル2階
自由が丘駅より徒歩7分
九品仏駅より徒歩2分
アクセスマップ:http://www.color-art.jp/access.html

開 催 日:
第1回4月25日(日曜日)
第2回5月29日(土曜日)
第3回6月19日(土曜日)
開催時間:13:30〜17:00
参 加 費:
(3回分一括申込の場合)45,000円(一般),41,500円(IJ Members会員)
(1回ずつ申込の場合・各回)18,000円(一般),15,000円(IJ Members会員)
定  員:15名
参加条件:これまでにインテグラル・ジャパン主催の下記のイベントのいずれ
かに参加していること
-インテグラル理論基礎講座/インテグラル理論入門講座
-インテグラル・ライフ・プラクティス(Integral Life Practice)
-インテグラル・トランスフォーマティヴ・プラクティス(Integral
Transformative Practice)
-インテグラル思想研究会、別名、ケン・ウィルバー研究会(3回以上)
-オープン・ワークシップ(3回以上)
※定員に到達次第締め切ります。なるべく事前にお申込み下さい:
http://integraljapan.net/info/seminar2010_tyukyu.htm
※会員(IJ Members)への申し込みはこちらで受け付けています:
http://www.integraljapan.net/info/ijmembers.htm

【2】鈴木 規夫によるインテグラル・コーチング・エッセイ:「統合的であ
ること」

ものごとに「統合的」(インテグラル)にアプローチするとは、包括的な視点
にもとづいてアプローチすることであるといわれます。
しかし、それは、包括的であろうとするために、数多くの知識や技術を収集す
るということではありません。
むしろ、統合的(インテグラル)にアプローチするとは、人間があたりまえの
ものとしてそなえている能力を意識化して、それを活性化することをとおして
可能となるものなのです。
その意味では、統合的(インテグラル)であるためには、先ず人間がありのま
まの状態で所有している能力を明確化することが重要となります。
人間として存在するということが内包するこうした「本質的」(essential)
なものを明確化するのです。
それらは、人間が、どのような状況においても、どのような状態においても、
失うことのできない能力であるということができます。
そして、正にそうしたものであるがゆえに、それらの能力をわたしたちはいか
なる場合においても発揮することができるのです。
日常生活のなかで、わたしたちはしばしば正常心を失うような危機的状況に遭
遇します。
そうした状況において、普段であれば簡単にできることができないという麻痺
と混乱の状態に陥ることになります。
しかし、真の意味での能力開発とは、そうした非日常状態において利用可能な
能力を開発することである必要があります。
平常心を容易に維持することができる安定した日常のなかでのみ発揮すること
ができる能力を習得したとしても、結局のところ、それは意味をもたないので
す。
つまり、自己の成長のために、あれこれと知識や技術や道具を収集しても、そ
れらは、実際の危機的な状況においては、効果的なものとはならないのです。

非日常的な状態においても、あなたから剥奪されることのないもの――統合的
(インテグラル)であるとは、即ち、そうしたものを明確化することであり、
そうしたものを意識的に鍛錬することを意味するのです。
ことばを替えれば、統合的(インテグラル)であるとは、本質的なものと本質
的でないものとを見極めて、そこに優先順位をつけていくということだという
ことができます。
真に重要なものとは、あなたが生まれながらに所有しているものであり、いか
なる状況・状態においても、あなたが失うことのできないものです。
それらの少数の本質的能力に着目することができるとき、そこには、非常に簡
素化された、しかし、包括的な自画像(self-image)を描くことができる可能
性が生まれてくるのです。
インテグラル理論の重要概念であるAQAL(All Quadrants, All Levelsの略)
とは、そうした人間の本質を抽出するための概念といえるでしょう。

筆者は、これまでに企業組織における「人材育成」や「能力開発」に携わって
きましたが、そうした場所で御逢いする多数の受講生の方々から、しばしば、
そうした企業内研修に対する幻滅の声を聴くことがありました。
それは、企業研修で紹介される技術や知識というものが、往々にして、日常の
業務活動においてほとんど活用することができないことに対する不満の声とい
うことができるでしょう。
あらためて説明するまでもなく、受講生によるこうした反応というのは、至極
当然のものといえます。
通常、企業内研修においては、受講生の能力開発を目的として、最新の技術や
知識が紹介されます。
しかし、往々にして、それらは人間の本質的な能力ではないために、結局のと
ころ、多大なプレッシャーに曝される業務活動の「現場」においては、有効に
活用することのできないものなのです。
それは、あたかも、それまで長年にわたり道場で鍛錬してきた武術家が、夜道
で暴漢にナイフをつきつけられたときに、動転してしまい、全く対応すること
ができないという状況のようなものといえるでしょう。
それまでに蓄積してきたあらゆる知識や能力が剥奪される状況においても尚わ
たしたちのなかに残されるものを明確化して、それを包括的に鍛錬していくと
いうこと――インテグラル・アプローチとはそうした視点にもとづくもという
ことができるでしょう。

筆者のご紹介:鈴木 規夫Ph. D.(インテグラル・ジャパン代表取締役)
人間の心理的発達と能力開発の領域において10 年以上にわたり研究と実践に
取り組んでいる。企業組織における人材育成を主要な活動としており、主に発
達段階の測定、リーダーシップ・パイプラインの構築、及び、エグゼクティブ・
コーチングとリーダーシップ・トレーニングを担当している。
2004年にCalifornia Institute of Integral Studies(CIIS)で博士課程を修
了。専門は、東洋と西洋の心理学(East-West psychology)。日本に帰国後、
アメリカの現代思想家ケン・ウィルバーのインテグラル思想の普及のための活
動を展開している。 2005 年より、個人の統合的成長を目的とする実践のプロ
グラム(Integral Life Practice)、及び、組織文化の統合的変容のプログラ
ム(Culture of Leadership Program)というインテグラル思想を基盤とした
プログラムの実施に中心メンバーとして参加している。また、ケン・ウィルバ
ーの主催するインテグラル・インスティトュート(http://www.integralinsti
tute.org)の創立メンバー。現在は、International Advisory Board の一員
として参加している。

【5】その他のイベントのご案内

1)インテグラル理論基礎講座 2010年春期コース
(第1回:開催済み、第2回:2010年2月11日(木祝)、第3回:3月7日(日)各
回 13:15〜16:45 品川区立総合区民会館きゅりあん研修室)
詳細・申込:http://integraljapan.net/info/seminar2010_kiso_spring.htm
*インテグラル理論が一から学べます。1回ずつのお申し込み可。

2)女性のためのインテグラル・ライフ・サークル 2月の集まり
(2010年2月23日(火)19:00〜21:00 アトリエ・イフ)
詳細:http://womensintegrallife.seesaa.net/
申込:http://integraljapan.net/info/wilp_info.htm
*『グレース・アンド・グリット』の読書会を行います。お茶・お菓子付き。

3)特別オープン・ワークショップ「インテグラル・クライシス・マネジ
メント」(2010年2月27日(土)13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅり
あん第三グループ室)
詳細・申込:http://integraljapan.net/info/seminar2010openworkshop2.htm
*各発達段階の盲点と課題について学びます。

4)ケン・ウィルバー研究会
(2010年2月28日(日)13:00〜16:00 アトリエ・イフ)
詳細:http://blog.integraljapan.net/
*復刊なった『万物の歴史』を読む特別シリーズの5回目です。事前申
込は必要ありません。お気軽にお立ち寄りください。
*弊社HP上に、一時、間違った会場が掲載されていました(現在は修正済み)。
本メールマガジンでお知らせしているものが最新ですのでご注意ください。

ご注意)受講料の事前振込をお受けするイベントの場合、弊社都合による開催
中止の場合を除き、振込後の返金・振替は承っておりません。ご予定をご確認
のうえ、お申し込みいただきますようお願いいたします。

【4】編集後記

昨年から今年にかけて、あるプロジェクトが進行中です。現在、代表を中心に
スタッフ総出で最終の詰めに取り組んでいるところで、まもなく皆様にも成果
を発表できるものと思います。このプロジェクトの成果を踏まえて、また新た
なワークショップのプログラムを組んでいきたいと思っています。どうぞお楽
しみに(千葉)。

*ご意見、ご感想などはお気軽にどうぞ! info@integraljapan.net
*本メールマガジンの送付先アドレスの変更、及び、配信不要の方は、
info@integraljapan.netまでご連絡ください。

-----------------------------------------------------------------
インテグラル・ジャパン・メールマガジン No. 32
配信日:2010年2月11日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

*無断複製・転載を禁止します
-----------------------------------------------------------------

    Copyright (c) 2010 INTEGRAL JAPAN All Rights Reserved