Integral Japan Mail Magazine Vol.23

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           Integral Japan Mail Magazine
              No. 23 (2009/05/01)
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【1】 4月の研究会のご報告
【2】 5月の研究会のご案内
【3】 インテグラル理論入門講座のご案内
【4】 オープン・ワークショップのご案内
【5】 Capacity Evolution Blogより
【6】 編集後記
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皆様、こんにちは。せっかくの大型連休なのに、新型インフルエンザとまた心
配なニュースが入ってきましたね。皆様が健康でお過ごしになられるよう、願
っています。それでは、メールマガジン第23号をお送りします(千葉)。

【1】4月の研究会のご報告

4月のケン・ウィルバー研究会(別名:インテグラル思想研究会)は4月19日に
開催されました。工藤 順一氏の著作『国語のできる子どもを育てる』と『論
理に強い子どもを育てる』(いずれも講談社現代新書)を参照しながら、言語
能力を伸ばすことが認識能力を向上させる上で極めて大きな役割を果たすこと
を改めて確認しました。

興味深いことに、工藤氏による国語指導のカリキュラムも、子どもたちの発達
段階を踏まえ、徐々に複雑な思考ができるように作られており、それは衝動的
段階――神話的合理性段階――合理性段階という、発達心理学者が説く発達の
道筋と軌を一にしています。研究会では、成人の70%が合理性段階に達しない
というアメリカの調査を考えても、高校卒業段階で合理性段階の認識構造に達
することを想定していると思われるカリキュラムの編成は非常に意欲的であり、
また、現実には困難も多いという現場からの指摘がありました。また、自らが
歩んできた成長の道のりを振り返ってみても、神話的合理性段階と前期合理性
段階の間には、大きな飛躍が要求される何かがあるようだ、という興味深い考
察もなされました。来月も引き続き、インテグラル・エデュケーションについ
て考えていきます(千葉)。

【2】5月の研究会のご案内

5月のケン・ウィルバー研究会(別名:インテグラル思想研究会)は、5月16日
(土)に開催いたします。

この研究会では、現在、多数の研究者・実践者をまきこみながら深化しつづけ
ている「現代思想」としてのインテグラル思想の可能性について探求していま
す。 また、ウィルバーの主催するIntegral Institute(http://www.integral
institute.org/)を核として展開するインテグラル思想の最新の動向を参考に
しながら、日本という文脈において、この思想を理解・実践するうえでの方法
を共同して探求していきます。

春期の研究会では、現在、教育の分野で活躍する内外の研究者・実践者の成果
を参照しながら、「統合的教育」(Integral Education)について討議をしま
す。参加される方には、可能であれば、下記の資料を読んできていただけるよ
うお願いします。

参考資料
1. ケン・ウィルバー(松永 太郎訳)(2008)『インテグラル・スピリチュア
リティ』(春秋社)
2. トニー・ディヴァイン(2003)『「人格教育」のすすめ』(上寺 久雄翻訳
コスモトゥーワン)
3. レイフ・エスキス(2007)『子どもにいちばん教えたいこと:将来を大き
く変える理想の教育』(菅 靖彦翻訳 草思社)

開催日時:5月16日(土)13:00?16:30
開催場所:東京都北区北とぴあ801
(http://www.kitabunka.or.jp/data/sisetu/map/map001.htm)
東京都北区王子1-11-1
王子駅より徒歩2分
参加費用:(一般)2,000円  (IJ Members)1,800円
*IJ Members会員の方は、会員証をご持参ください。
参加資格:本研究会は、どなたでも予約なしで参加できますが、ケン・ウィル
バーのインテグラル理論に関して、多少の知識があることを前提に運営されて
おります。ご理解のうえご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

鈴木 規夫 Ph. D.
インテグラル・ジャパン代表 ( http://www.integraljapan.net/ )
協賛:非営利活動法人 にじの絵のぐ( http://www.nijinoenogu.jp/ )

*5月以降の研究会の日程は以下の通りです:
6月6日(土)、7月26日(日)、8月8日(土)

【3】インテグラル理論入門講座のご案内

インテグラル思想では、理論と実践を相補的なものとしてとらえており、体験
をいかに解釈するかという知的な枠組みを持つことの重要性を強調しています。
この機会に、インテグラル理論を一から学んでみませんか?

インテグラル理論入門講座は、ILPベーシック・ワークショップと並び、イン
テグラル・ジャパンのセミナー・トレーニングの柱です。研究会や、今後開講
を予定している様々な講座(コーチング等を検討中です)においても、本講座
修了程度の知識が前提とされております。ですので、弊社イベントに参加を希
望される皆様には、是非一度は本講座を受けていただきたきたいと思っており
ます。

春期コースの第1回は既に実施済みですが、振替制度を利用して、第2回・第3
回を春期コースで受講し、第1回を夏期コースで受講するという受講方法も可
能です。弊社ウェブサイトにて詳細をご確認のうえ、申込フォームからお申し
込みください。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

*振替制度は、現在、インテグラル入門講座限定の制度です。他のワークショ
ップでは振替はお受けしておりません。

――インテグラル理論入門講座2009年春期コース・夏期コース――

春期:
第1回:開催済み
第2回:5月24日(日)品川区総合区民会館きゅりあん研修室
第3回:6月27日(土)北区複合文化施設北とぴあ 第1和室

夏期
第1回:7月5日(日)品川区立総合区民会館きゅりあん第1講習室
第2回:8月2日(日)品川区立総合区民会館きゅりあん研修室
第3回:9月6日(日)品川区立総合区民会館きゅりあん中会議室

参加費: 一般:24,000円(3回分) 会員:21,600円(3回分)
      各回個別での申し込みはできませんのでご了承ください。
      会員(IJ Members)への申し込みはこちらで受け付けています:
       http://www.integraljapan.net/info/ijmembers.htm
      定員に到達次第締め切ります。なるべく事前にお申込み下さい。

講師:鈴木 規夫 Ph. D.(インテグラル・ジャパン代表取締役)

お申し込みはこちらから:
http://integraljapan.net/info/seminar2009nyuumon01.htm#form

【4】オープン・ワークショップのご案内
オープン・ワークショップは、初めてインテグラル・アプローチに触れる方に
も気軽に参加していただけるワークショップです。ただいま、5月〜6月開催分
を受付中です。

1. 5月のオープン・ワークショップ
Integral Dialogue:インテグラル理論でコミュニケーションを向上させる
(2009年5月30日(土) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*対話能力は、意識構造の発達を促す上で極めて重要な意味を持ちます。イン
テグラル・ジャパンの講座・ワークショップを受講されたい方全員に、ぜひご
参加いただきたいワークショップです。
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop05.htm

2. 6月のオープン・ワークショップ
Integral Art Therapy II: 表現ワークで育む創造的成長と豊かな関係性(200
9年6月28日(日)13:30〜16:30 北区複合文化施設北とぴあ)
*根強い人気を誇る表現ワークです。論理だけでなく感性も育みたい方に特
にお勧めです。感情表現の苦手な方も、トライしてみませんか?
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop06.htm

*弊社都合による開催中止の場合を除き、受講料振込後の返金・振替は承っ
ておりません(振替制度は、現在、インテグラル理論入門講座限定の制度とな
っております)。ご予定をご確認のうえ、お申し込みいただきますようお願い
いたします。

【5】Capacity Evolution Blogより
インテグラル・ジャパンの姉妹機関・インターコネクションズ(http://ikan.
biz/)の共同経営者であるザック・スミス(Zach Smith)のブログ(Capacity
Evolution Blog)の翻訳です。個々の行動論理の特徴について述べた記事の
第三弾です。

――I型の人びと――

I型(専門家段階・前期合理性段階)の人びとのI型らしさは、彼らの一番の強
みであるとともに、最大の弱みにもなり得ます。I型の人びとは専門家です。
「I」というのは、専門とする領域の徹底的な探求と、自分の専門家としての
知識や技術が何より重要であるという信念、そしてこういう人びとが世界をま
とまりのあるものとして見るときに用いる緻密なロジックを表しています。

I型の人びとを観察すると、どういうことが言えるのでしょうか?

・アメリカの大人の36%がI型ではないかと言われています(1)
・I型の人びとはスペシャリストであり、専門家です
・I型の人びとは、それぞれの専門領域の知識・技術を活かして、商品やサー
ビス、あるいはシステムを作ったり改良したりする活動の先頭に立つことが多
くあります
・貴重なチームメンバーですが、チームリーダーとして適しているとは必ず
しも言えません。I型の人びとが重きを置くのは専門に特化することと、ルー
ルだからです
・自分が専門とする領域の中では、複数の視点を持ったり、異なる可能性を
考慮したりすることが可能ですが、「権威者」の考え方に賛成する傾向があり
ます
・多くの場合、注意深く、考えごとをするときに、細かいところにこだわり
ます(全体を部分から理解します)
・I型の人々は、権威と明確さを尊重し、これを目指して努力します
・ルールや基準の適用については徹底的・システマティックであり、オープ
ンで創発的なシステムよりも、包括的で完璧なシステムを好みます
・I型の人びとは、うまく運営されている(そして、いささか狂気じみてもい
る!)あらゆる官僚制の中心にいます
・意思決定に当っては、証拠とデータを極めて重視します
・「主観」よりも「客観」を重んじます
・自らの仕事において、完璧を目指します
・I型のびとは、多くの場合、大きな絵を描くというよりも、細かいところに
こだわる人びとです
・自分のほうがもっとよい、徹底的な仕事ができると思っているので、権限
委譲をするのが難しい場合があります
・直接的・実用的で、合理性の観点から説明がしやすい立場から、物事を進
める傾向があります

I型の人びとは勿論一人ひとり違っています。人びとは皆、それぞれ他とは異
なる存在です。上記の点は、G型の人びとがI型に移行する、あるいはG型の人
びとがより幅広いT型の視点に移行するのを私たちが支援したときに観察した
特徴を、一般的に述べたものです。一般的に言って、専門的な知識・技術が最
も重要であるとき、頼りになるのがI型の人びとであるといえるでしょう。職
場やコミュニティ、そして生活の場で、I型のものの見方は、混沌として発生
しつつある状況に秩序と信頼性を与えます。他のあらゆる発達段階と同様に、
「I」も、人類の文明進化の過程において必要であり貴重な視点です。この視
点が良い、あの視点は悪いということはなく、また、この視点はあの視点より
も優れている、あるいは劣っているということはありません。ものの見方とは、
思考の枠組みであると同時に、存在のありかたの一様式なのです。I型の人々
は、「私」の視点から、あるいは自分の専門家としての能力をベースにして世
界と関わります。必要な場合には、I型の人びとはT型へ進化を遂げます。特
に、自分の専門分野を超えて生活したり仕事をしたりすることが求められると
きに、T型への移行が起こります。このような移行が円滑かつ明確に行われる
ためには、その過程にある人に、T型の行動論理の価値を明確に理解してもら
うことが重要となります。そして、そのうえで、周囲の関係者は、そうした移
行を完遂するための最大限の励ましと支援を提供することが重要となります。

(1)スザンヌ・クック=グロイター博士(Dr. Susanne Cook-Greuter)の調査
による。
(2)深層的能力(capacity)…機能的能力(competency)と対になる概念。機
能的能力は、交渉能力、企画立案能力、管理運営能力等の個々の具体的なスキ
ルであるのに対し、深層的能力は意識構造の複雑さを指す。深層的能力の開発
は、人間の認識と行動の能力を本質的な意味で変容させることであり、通常、
長期間にわたる取り組みと、適切な支援と挑戦が必要となる。深層的能力=人
間としての器の大きさ、と解釈してもよい。

*原文は、こちらで読めます。
http://ikan.biz/blog/capacity-evolution/i-shaped-people/

【6】編集後記

IJ Members会員の方には既にお知らせしておりますが、特に女性に焦点を当て
たイベントを現在計画中です。女性は、関係性をより重視する等、発達の過程
においても男性とは異なる特徴を持つことが、発達心理学者により報告されて
います。こういう点をふまえ、女性特有の課題にインテグラルな視点から取り
組む場を持ちたいと思っています。まもなくウェブサイトやメールマガジンに
て詳細を発表いたしますので、どうぞお楽しみに(千葉)。

*ご意見、ご感想などはお気軽にどうぞ! info@integraljapan.net
*本メールマガジンの送付先アドレスの変更、及び、配信不要の方は、
info@integraljapan.netまでご連絡ください。

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インテグラル・ジャパン・メールマガジン No. 23
配信日:2009年5月1日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

*無断複製・転載を禁止します
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