Integral Japan Mail Magazine Vol.19

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         Integral Japan Mail Magazine
            No.19 (2009/02/25)
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-----INDEX-------------------------------------------------
【1】 速報! 会員誌にウィルバー最新インタビュー掲載
       ――会員制度「IJ Membersのご案内」――
【2】 2月の研究会のご報告
【3】 3月及び4月以降の研究会のご案内
【4】 オープン・ワークショップのご案内
【5】 インテグラル思想研究会講義録より
【6】 編集後記
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皆様、こんにちは。インテグラル・ジャパンでは、現在、様々な講座・ワーク
ショップを開催する傍ら、「IJ Members」会員誌創刊号の編集を鋭意進めてい
ます。まずは、「IJ Members」に関する最新情報からお届けします!

【1】速報! 会員誌にウィルバー最新インタビュー掲載
       ――会員制度「IJ Members」のご案内――

この度、インテグラル・ジャパンによるケン・ウィルバー独占インタビューが
実現いたしました。当初、健康上の理由により、インタビュー時間は1時間に
制限されていたのですが、ウィルバー氏は、制限時間を越えて、世界に広がる
インテグラル・コミュニティの現状について熱く語ってくれました。「我々は、
まさに今、臨界点を迎えようとしている」――インタビューの抜粋を、今後、
数回にわたり「IJ Members」会員誌に掲載していきます。ケン・ウィルバー
の最新の見解、そして日本の読者へのメッセージが読めるのはここだけです!

「IJ Members」のお申し込みはこちらから。
http://integraljapan.net/info/ijmembers.htm

【2】2月の研究会の研究会のご報告
2月のインテグラル思想研究会は、これまでにひきつづいて、ケン・ウィル
バー(KW)の提唱する最新モデルである"Wilber-Five"の領域ごとの検証をし
ました。今回の研究会では、混同されやすいZone 2とZone 5の比較検証をしま
した。KWは、著書のなかで、Zone 2の代表的な方法論として発達心理学を、そ
して、Zone 5の代表的な方法論として認知心理学をあげています。しかし、そ
れらは共に個人の内面をあつかうものであるために、KWの著作を一読する限り
では、それらの方法論の差異を把握することは必ずしも容易ではありません。
今回の研究会の前半では、心理学・福祉・教育・宗教・言語学等、多様な専門
領域で調査・研究・実践の活動にとりくんでいる参加者間の討議をとおして、
この2つの領域の独自性について探求をしました。また、討議は、これらの領
域のみならず、Wilber-Fiveにおいて展開されている理論モデルの妥当性と有
用性そのものにも及びました(鈴木)。

【3】3月及び4月以降の研究会のご案内
3月の研究会は、3月28日(土)に開催します。研究会では、2008年4月より、
ウィルバーの最新の理論モデル(ウィルバー5)を反映する著作である『イン
テグラル・スピリチュアリティ』を取り上げ、じっくりと検討を重ねてきまし
た。その作業も、いよいよ3月の研究会をもって一区切りとなります。

『インテグラル・スピリチュアリティ』シリーズの最終回となる今回の研究会
では、ウィルバー5で導入された"8つのゾーン"(四象限がそれぞれ内側・外側
に分割されました)のうち、Zone 7とZone 8について取り上げます。下記の参
考資料を使用します。

研究会は、講義を行う場というよりも、参加者の皆さまとの意見交換の場と位
置づけております。毎回、それぞれの専門分野や経験に基づいて、活発な議論
が交わされています。積極的なご参加をお待ちしております。

参考資料

1. ケン・ウィルバー(松永 太郎訳)(2008)『インテグラル・スピリチュア
リティ』(春秋社)

尚、『インテグラル・スピリチュアリティ』の概要をまとめた下記の参考資料
がインテグラル・ジャパンのHPに掲載されておりますので、どうぞ参照くださ
い:

「インテグラル・スピリチュアリティの諸条件」
http://www.integraljapan.net/articles/IntegralSpirituality_1.htm

2.下記の書籍のうちのいずれか:
・河本 英夫(1995)「オートポイエーシス:第三世代システム」青土社
・河本 英夫(2007)「哲学 脳を揺さぶる オートポイエーシスの練習問題」日
経BP社
・山下 和也(2004)「オートポイエーシスの世界――新しい世界の見方」近代
文芸社(近代文芸社新書)

開催日時:3月28日(土)13:00〜16:30
開催場所:東京都北区北とぴあ804
(http://www.kitabunka.or.jp/data/sisetu/map/map001.htm)
東京都北区王子1-11-1
王子駅より徒歩2分
参加費用:2,000円
参加資格:本研究会は、どなたでも予約なしで参加できますが、ケン・ウィル
バーのインテグラル理論に関して、多少の知識があることを前提に運営されて
おります。ご理解のうえ御参加いただきますよう、お願い申し上げます。

鈴木 規夫 Ph. D.
インテグラル・ジャパン代表 ( http://www.integraljapan.net/ )
協賛:非営利活動法人 にじの絵のぐ( http://www.nijinoenogu.jp/ )

*4月以降の研究会について
4月以降の研究会では、数回に渡り、現在教育の分野で活躍する内外の研究
者・実践者の成果を参照しながら、「統合的教育」(Integral Education)に
ついて討議をします。参考文献として、下記の書籍を参照します:

・トニー・ディヴァイン(2003)「人格教育」のすすめ(上寺 久雄翻訳 コス
モトゥーワン)
・Tony Devine, et al (2000). Cultivating heart and character:
Educations for life's most essential goals. Chapel Hill, NC: Character Development Group.(上記書籍の原書)
・レイフ・エスキス(2007)子どもにいちばん教えたいこと:将来を大きく変
える理想の教育(菅 靖彦翻訳 草思社)
・Rafe Esquith (2004). There are no shortcuts. NY: Anchor Books. (上
記書籍の原書)
・工藤 順一(1999)「国語のできる子どもを育てる」講談社(講談社現代新
書)
・工藤 順一(2003)「論理に強い子どもを育てる」講談社(講談社現代新書)
・林 道義(1996)「父性の復権」中央公論社(中公新書)
・林 道義(1999)「母性の復権」中央公論社(中公新書)

*なお、インテグラル理論を基礎からじっくり学びたい! という方には、4月
から始まる「インテグラル理論入門講座」がお勧めです。詳しくはこちらから
どうぞ。
http://integraljapan.net/info/seminar2009nyuumon01.htm

【4】オープン・ワークショップのご案内
オープン・ワークショップは、初めてインテグラル・アプローチに触れる方に
も気軽に参加していただけるワークショップです。ただいま、3月〜5月開催分
を受付中です。

3月は、満を持して「AQAL Analysis」が登場します。AQALは、インテグラル思
想の「核」にある最重要概念といえるものですが、現在、これは、「自己探
求」や「自己実現」等の個人の成長を促進するための概念としてのみならず、
企業や政府機関等、多様な組織において課題・問題の分析と解決のための道具
としても活用されています。インテグラル思想を実際の生活の現場において積
極的に活用するための方法を求めている全ての方のご参加を歓迎します。本
ワークショップでは、ワークシートを用いて、「AQALを用いて考えるとはどう
いうことか?」を実際に体験していきます。

4月は、「インテグラル・メディテーション」。最近、欧米では、社員の健康
を保ち創造性・決断力を増すのに有効であるとして、メディテーションを経営
や研修に取り入れる企業が益々増えています。また、メディテーションは、意
識段階の発達において重要な役割を果たす、とウィルバーも述べています。こ
の機会に、メディテーションをあなたの生活の中に取り入れていきませんか?

5月に登場するのは、「インテグラル・ダイアローグ」。あまり気づかれてい
ないことかもしれませんが、ダイアローグ(対話)は、人間が人格的な成長を
遂げていくうえで、非常に重要な意義をもちます。多くの発達心理学者が述べ
ているように、自己成長のとりくみが真にインテグラルなものとなりうるため
には、自己のこころを客観的に省察することのできる「内省能力」が必要とな
ります。そして、そうした内省能力は、必ず、他者との対話を実践することを
とおして、鍛錬されていくのです。その意味では、自己と対話をする能力を育
成するためには、他者と対話をする能力の育成にとりくむことが必要となると
いうことができるでしょう。本ワークショップでは、自己の内外に流れるプロ
セスを感知し、自分の思い込みや前提に気づき、他者との効果的なコュニケー
ションを可能にする対話技法の基礎をゆっくり学んでいきます。インテグラ
ル・ジャパンの講座・ワークショップに参加を希望される方に、必ず一度は受
けていただきたいワークショップです。

1. 3月のオープン・ワークショップ
AQAL Analysis:インテグラル理論で問題を解決する
(2009年3月29日(日) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop03.htm

2. 4月のオープン・ワークショップ
Integral Meditation:日常に明晰さと深みをもたらす4つの瞑想プラクティス
(2009年4月25日(土) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop04.htm

3. 5月のオープン・ワークショップ
Integral Dialogue: インテグラル理論でコミュニケーションを向上する
(2009年5月30日(土) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop05.htm

【5】 インテグラル思想研究会講義録より
――インテグラル・アプローチとは何か:象限、レベル、ライン、タイプ、意
識構造と意識状態(7)――

(メールマガジン第18号より続く)

質問者:先ほどおっしゃった、人間は本質的に成長しようとする方向性を内蔵
しているという指摘と矛盾してくるような気がするのですが。

講師:これはウィルバーの思想のなかで非常に重要な位置づけをされているの
ですが、成長というのは、個人が、荒野のなかでひとりで達成するものではな
く、必ず共同体や関係性のなかで実現するものです。つまり、レベル3に到る
ためには、レベル3への成長をサポートすることができる「サポート・システ
ム」が必要となるということです。そして、今、われわれは、そうしたサポー
ト・システムが急激に毀れはじめているのを目撃しています。

人間というものは、成長しようとする志向性を根源的にもっています。ですか
ら、今日の悪条件のなかでも、そうした志向性が完全に放棄されるわけではあ
りません。しかし、そうした悪条件のなかでは、そうした成長の志向性を実現
するためには、これまで以上に叡智が必要となります。そうであるからこそ、
ウィルバーは、成長するということにたいして意識的であることの重要性を強
調するのだと思います。また、高次の発達段階を実現したひとには、必ず、そ
れにともなう責任が生じてくることになります。換言すれば、自己の成長だけ
ではなく、今度は他者(同時代の関係者、そして、次世代の関係者)にたいし
て、どういう責任を負うかということが重要になるわけです。

今日、ここに参加している方々は、日々の業務活動をとおして、いろいろなひ
とをインスパイアしようとしてこころみられていますね。皆さんは、いろいろ
な形態で、自己の内部に息づく創造性を世界に還元していくことの重要性を認
識する問題意識をおもちなわけです。

確かに、それはすごく重要なことだし、また、僕自身もそうありたいと思って
います。ただ、同時に、同時代の状況の厳しさというものを意識することなく、
単に「純粋」に行動をしているだけでは「自己満足」に終わることになりま
す。今日に於いては、「白痴の慈悲」("idiot compassion")ではなく、「真
の慈悲」("authentic compassion")が必要となることを強調するウィルバー
の問題意識はそこにあります。集合意識の地盤沈下が起ころうとしているなか
で、どのようにしてそれを食い止めることがきできるのか、そして、どのよう
にして循環の方向性を変えるための戦略的・実践的な方策を創出することがで
きるのか、ということを探求しているのがインテグラル・アプローチです。
そうした活動にとりくむときに、あたかもこの世界に何も深刻な暗黒と問題が
存在しないかのように楽観してアプローチすると足元をすくわれてしまいます。
それはあまりにも「あたりまえ」のことですが、今日、そうした最低限の常識
が急速に失われはじめていることにウィルバーは警鐘を鳴らしています(c.f.,
"Boomeritis Spirituality")。そうした常識の重要性をあらためて認識する
必要がある――ここで指摘されているのは、実はただそれだけのことなので
す。(2008年4月の研究会より)(この項終わり)

【6】編集後記
先日、アメリカのオバマ大統領の演説を分析するセミナーに出席しました。そ
の中で、「スピーチをする時、日本の方はデータ(=AQALの右側象限)が正し
ければ大丈夫、と思う人が多いが、それでは十分ではない。アメリカでは、
リーダーは価値観(=AQALの左側象限)を語れなければならない」と講師が
おっしゃっていたのが印象的でした。「リーダーシップの日米比較」というよ
うなテーマにおいても、AQALの視点での分析を取り入れると、興味深い結果が
出るかもしれません(千葉)。

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インテグラル・ジャパン・メールマガジン No. 19
配信日:2009年2月25日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

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