Integral Japan Mail Magazine Vol.18

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         Integral Japan Mail Magazine
           No.18 (2009/02/10)
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-----INDEX--------------------------------------------------
【1】 ワークショップ・レポート
【2】 オープン・ワークショップのご案内
【3】 2月の研究会のご案内
【4】 インテグラル思想研究会講義録より
【5】 会員制度「IJ Members」のご案内
【6】 編集後記
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皆様、こんにちは。インテグラル・ジャパンでは、研究会での活気あふれる討
論と充実したワークショップでこの1年をスタートしました。今号では、1月の
オープン・ワークショップ・レポートと研究会講義録を中心にお送りします。

【1】ワークショップ・レポート
〜オープン・ワークショップ: Integral Life Vision (2009年1月24日開催)〜

東京では雪もちらつくほどの寒い中、今年最初のワークショップ「Integral
Life Vision」が依浮とし子のリードのもと開催されました。今回のワークの
目的は、過去から現在、そして未来につながっていくLife Visionを4象限の視
点から明確化していくというものです。

今回、初めての試みとして、部屋全体を4象限に区切って場をつくり、参加者
にそれぞれの象限を動きながら、人生を振り返る作業をしていただきました。
ファシリテーターの「イメージやからだの感覚を大切にして、足が自然に動い
ていくプロセスに従ってください」という声のもとに、4象限を体感的にワー
クしていきました。実際に4象限を動いてみると、思いのほか、自分がこだ
わっていた象限、あまり注意を払っていなかった象限を皆さん実感されたよう
でした。大抵の方は、内面か外面、私の領域か関係性の領域か、偏りが出てく
るものです。そのことを自覚し、4象限的な枠組みに認識を拡げるとき、ビ
ジョンは、より広い可能性の場から生まれてくるのではないかと思います。

後半では、ビジョンを絵や言葉にしていくワークを行い、人生を一貫性のある
ものにする「使命」を明確化していきました。絵を描くことは、自己発見と同
時に自己表現でもあります。参加者の何人かは、絵を描き、文章にしていくプ
ロセスで、自己の核に息づく創造性に触れていたかのように感じられました。
最後に、明日具体的にできることを一つ決め、Life Visionの宣言、全体シェ
アリングとなり終了しました。

今回のワークの参加者には、日常における継続的な実践を行ってもらうため、
具体的目標、実践を書き入れる、「Integral Life Vision デザインシート」
をお渡ししました。2009年、関係性や仕事の場で自分を活かし、これからの人
生の方向性を確認するサポートとして役立ててもらえればと思います(山口)。

【2】オープン・ワークショップのご案内
オープン・ワークショップは、初めてインテグラル・アプローチに触れる方に
も気軽に参加していただけるワークショップです。インテグラル理論に関する
予備知識は必要ありません。ただいま、2月開催分と3月開催分を受付中です。

1.まもなく受付締切! 2月のオープン・ワークショップ
Integral Dream Work:インテグラル・アプローチで拡げるあなたの可能性
〜夢から探る統合的な成長と癒し〜
(2009年2月22日(日) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop02.htm

2.3月のオープン・ワークショップ
AQAL Analysis:インテグラル理論で問題を解決する
(2009年3月29日(日) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop03.htm

【3】2月の研究会のご案内
2月の研究会は、2月15日(日)に開催します。研究会では、2008年4月より、
ウィルバーの最新の理論モデル(ウィルバー5)を反映する著作である『イン
テグラル・スピリチュアリティ』を取り上げ、じっくりと検討を重ねています。

今月は、ウィルバー5で導入された"8つのゾーン"(四象限がそれぞれ内側・外
側に分割されました)のうち、Zone 2について取り上げます。下記の参考資料
を使用します。

研究会は、講義を行う場というよりも、参加者の皆さまとの意見交換の場と位
置づけております。毎回、それぞれの専門分野や経験に基づいて、活発な議論
が交わされています。積極的なご参加をお待ちしております。

参考文献:
1. ケン・ウィルバー(松永 太郎訳)(2008)『インテグラル・スピリチュア
リティ』(春秋社)

尚、『インテグラル・スピリチュアリティ』の概要をまとめた下記の参考資料
がインテグラル・ジャパンのHPに掲載されておりますので、どうぞ参照くださ
い:

「インテグラル・スピリチュアリティの諸条件」
http://www.integraljapan.net/articles/IntegralSpirituality_1.htm

2. 小此木 啓吾(2002)「現代の精神分析・フロイトからフロイト以後へ」講
談社(講談社学術文庫)(Zone 2)

開催日時:2月15日(日)13:00?16:30
開催場所:アトリエ・イフ(http://www.color-art.jp/access.html)
東京都世田谷区奥沢6-27-2 アーバンSKビル2F
自由が丘駅より徒歩7分
九品仏駅より徒歩2分
参加費用:2,000円
参加資格:本研究会は、どなたでも予約なしで参加できますが、ケン・ウィル
バーのインテグラル理論に関して、多少の知識があることを前提に運営されて
おります。ご理解のうえご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

鈴木規夫 Ph. D.
インテグラル・ジャパン代表 ( http://www.integraljapan.net/ )
協賛:アトリエ・イフ・シーエイティー(http://www.color-art.jp)

【4】インテグラル思想研究会講義録より
――インテグラル・アプローチとは何か:象限、レベル、ライン、タイプ、意
識構造と意識状態(6)――
(メールマガジン第13号より続く)

さて、こうした状況にどう対応するかということですが、インテグラル思想の
関係者は、各発達段階に応じて、アプローチを修正しないといけないというこ
とを主張しています。

例えば、Aさん(参加者の一人)。この方は非常に立派な方なんですね。ちゃ
んと社会生活を送っておられるし、奥さんもおられる。給料も使い込んでいな
い。この人に対しては、例えばレベル1(衝動的段階)の人にアプローチする
ように、強制や恫喝したり、暴力をちらつかせて「ちゃんと働け」というアプ
ローチをしても全く非効果的なんですね。逆に「そんなことをするんだったら、
俺はお前なんかのところでは働かない。もっと自分の個性を尊重して、自分の
人間性を尊重してくれる会社に行きます」と言うでしょう。

ところが、僕がそうしたAさんに適切なアプローチを、この衝動的段階の人に
適用しても必ずしもうまくいかない。全く非効果的であるかもしれない。「君
を信用するよ」と言うと、これはもうけものだと思って、もしかたらお金を使
いこんじゃうかもしれませんね(笑)。規範感覚が内面化されていない人に対
して、規範感覚が確立されている人に対してするようなアプローチをしても、
失敗をすることになる可能性があるということです。つまり、信頼関係にもと
づいた人間関係が成立するためには、両者がそれなりに高い発達段階ににいな
ければならないのです。

交渉術の世界では、最近、win-winという観念に対して反省がされています。
つまり、実際にwin-win的な関係が成立する状況というのは、基本的に、関係
者の発達段階が高い状況においてのみであるということです。非常に自己中心
的な段階の交渉相手に対してwin-win的なアプローチをしても、彼等はこちら
の善意や好意をハイジャックして、利用しようとします。疑問に思われる方々
は、是非、命を賭けて実験してみてください(笑)。

実際、win-lose的な交渉者であるほど、win-winという言葉をふりかざしてき
ます。笑顔をちらつかせつつ、相手の善意をハイジャックして、妥協をひきだ
そうとします。経験豊かな交渉者は、win-winということばに対しては警戒を
するようにしないといけないと指摘します。

ただし、交渉相手が実際にwin-winをするだけの人格的な成熟を備えていると
きには、win-win的な関係構築をする努力をするべきです。そういう相手に対
してwin-lose的なアプローチをすれば、嫌われて、交渉がうまくいかないこと
があります。その意味でも、人間の意識構造を把握するというのは非常に重要
になります。それができない限り、なかなか物事はうまくいきません。

質問者:ただ、現実の世の中にはいろんなレベルの人がいるなかで、自分だけ
がwin-winをやろうしたら、自分はloseしてしまうわけですよね?

講師:仰るとおりです。

質問者:そうですよね。そうしたら、自分がwinするためには力で訴えないと
いけない、という人も出てくるわけじゃないですか。そうすると、結局、みん
なが力に訴えて、どんどんどんどん皆のレベルが下がってくるわけじゃないで
すか。低いほうになっていくわけですよね。それはどうとらえるんですか?

講師:重要なのは、相互関係の「循環」です。この社会が信頼するにたるもの
である――われわれの生きているこの社会が信頼するにたるものである――と
いう信頼が共有されている場合には、そうした「レベル」の維持は可能です。
基本的な信頼感にもとづいて行動をすることが、同じような他者の行動をひき
だして、建設的な相互関係が維持されるわけです。そこでは、信頼と信頼が呼
応しあうわけです。問題は、今、そうした循環が途絶えて、逆方向に回り始め
ているといことです。「人間というのは信頼するにたりない」という感覚が人
間関係の基礎になっているわけです……。
これはすごく重要なことだと思うんです。循環の方向性が変わり、逆方向の流
れが動きはじめているなかで、自分だけがこれまでの循環を前提にして行動す
れば、善をなすことができるまえに、先ず淘汰されてしまいます。

質問者:なんだか、悲観的になってしまいますね。

講師:そうですね。(2008年4月の研究会より)(続く)

【5】会員制度「IJ members」のご案内
前号でもお知らせしましたが、ワークショップや研究会が割引価格で受講でき
る等、様々な特典が受けられる会員制度「IJ Members」をこのほどスタートい
たしました。入会金が無料になるキャンペーンは2009年3月31日までとなって
います。お早めにお申し込み下さい。

*詳細・お申し込みはこちらから。
http://integraljapan.net/info/ijmembers.htm

【6】編集後記
インテグラル・ジャパンでは、日々の業務の傍ら、それぞれの領域で研究を重
ね、お客様によりよいサービスを提供すべく努力しています。今後も、様々な
新企画を準備しておりますので、どうぞお楽しみに(千葉)。

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info@integraljapan.netまでご連絡ください。

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インテグラル・ジャパン・メールマガジン No. 18
配信日:2009年2月10日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

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