Integral Japan Mail Magazine Vol.16

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         Integral Japan Mail Magazine
            No.16 (2009/01/12)
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-----INDEX---------------------------------------------------
【1】 巻頭言
【2】 12月の研究会の報告
【3】 1月の研究会のご案内
【4】 オープン・ワークショップのご案内
【5】 スタッフ紹介
【6】 編集後記
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2009年の第1号をお送りします。

○巻頭言

あけましておめでとうございます。
厳しい寒さがつづいておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
2008年は、歴史的な経済不況の幕開けをむかえた、文字通り疾風怒涛の一年と
なりました。
人間は、今、自らが経験している「日常」をあまりにも安易にそれがいつまで
もつづくものであると思い込む傾向にあるようです。
それが実は多様な条件に支えられて成立していることを忘れて、あたかもそれ
が永続するものであると思い込むのです。
しかし、今回のように、こうした突然の社会の変動を経験するとき、われわれ
はそうした日常が実はひとたまりもなく雲散霧消する幻影であったことに気付
かされます。
そして、そうした瞬間、われわれは、不確実性を存在の本質的な条件として認
識して、目前の事象の彼方を見据える大局的な視点にもとづいて将来を構想す
ることの必要性に目覚めます。
その意味では、2008年という年は、われわれひとりひとりにそうした内省を喚
起する真の意味で衝撃的な一年であったということができるのかもしれません。
多数の識者が指摘するように、こうした変化は今後も継続して発生していくこ
とが予想されています。
そして、そうした時代状況の出現は必ずわれわれに誠実な内省と探求を継続的
に求めることになります。
いうまでもなく、そうした状況は、インテグラル思想の提唱者であるケン・
ウィルバー(Ken Wilber)が主張するように、Body・Mind・Spiritという人格
の全領域の能力の発揮を要求する真に過酷な試練となります。
しかし、逆説的には、正に安定した日常が崩壊した危機的状況においてわれわ
れを支えてくれる能力こそが、われわれの本質的な能力であるということがで
きるのかもしれません。
その意味では、われわれは、この危機のただなかにおいて、あらためて自己の
本質に回帰する時期を迎えているのかもしれません。
こうした時代状況を見据えて、Integral Japan(IJ)では、今後、人間の深層
的な能力の開発に寄与する統合的なプログラムである「インテグラル・ライ
フ・プラクティス」(ILP)を積極的に紹介・提供していきたいと思っており
ます。
これは、いわば、人間の「器」を鍛錬するトレーニングということができるも
ので、具体的・機能的な能力(例:思考能力・対話能力・計算能力)を活用す
る主体である意識構造そのものの成長を促進することを意図しています。
こうした危機の時代を創造的に生きていくうえで真にわれわれを支えてくれる
本質的な能力の開発の方法としてのILPの紹介をとおして、IJは社会と時代に
貢献することができることを希望しています。
こうしたこころみは国内で初めてのものでもあり、参加者の皆様のご意見やご
要望を参考にして、継続的に発展・進化させていきたいと思っております。
今後ともどうぞよろしくおねがいします。

インテグラル・ジャパン株式会社 代表取締役
鈴木 規夫 Ph.D.

○12月の研究会のご報告
12月のケン・ウィルバー研究会は、11月にひきつづいて、集合の内面である
Zone 3とZone 4に焦点を絞り、議論をしました。とりわけ、個人と個人のあ
いだの意思疎通のありかたを無意識的に規定する「構造」といわれるものが、
われわれの日常生活に及ぼす影響について、諸々の具体的な事例をあげなが
ら、探求をしました。

著書のなかでウィルバーもたびたび指摘するように、構造は、関係者間の意思
疎通のありかたを規定することをとおして、そこにおいて許容・優遇される主
張と禁止・抑圧される主張を設定することになります。換言すれば、構造は、
関係者間の意思疎通に秩序をもたらすとどうじに、また、そうした秩序に迎合
しない要素を排除する排除と抑圧の装置としても機能するのです。人間には構
造を認識する生得的な視点があたえられていますが、それを鍛錬することは、
その意味では、そうした構造の潜在的な負の側面に留意して、日常の人間関係
を公平なものに維持していくための必須の条件であるということができます。
今回は、思想家ミッシェル・フーコーの議論を参照しながら、こうした構造の
性質について、時間をかけて、探求をしていきました(但し、参考図書として
使用した「フーコー入門」(中山元著 筑摩書房)は、秩序の負の側面を超克
するための方法として、秩序の破壊を称揚する過度に脱構築主義的な論調が散
見されるので、注意が必要)。

後半は、前回にひきつづき、Jane Loevingerの著書を参考にして、意識の発達
段階を測定する測定能力の開発するペア・ワークを行いました。

○1月の研究会のご案内
1月の研究会は、1月17日(土)に開催します。研究会では、2008年4月より、
ウィルバーの最新の理論モデル(ウィルバー5)を反映する著作である『イン
テグラル・スピリチュアリティ』を取り上げ、じっくりと検討を重ねています。

今月は、ウィルバー5で導入された"8つのゾーン"(四象限がそれぞれ内側・外
側に分割されました)のうち、Zone 5について取り上げます。下記の参考資料
を使用します。

研究会は、こちらから一方的に情報を伝達するというよりは、参加者の皆さま
と意見や洞察を交換しあう、交流の場としたいと思っております。ご関心のあ
る方は、どうぞお気軽にご参加下さい。

参考文献:
1. ケン・ウィルバー(松永 太郎訳)(2008)『インテグラル・スピリチュア
リティ』(春秋社)

尚、『インテグラル・スピリチュアリティ』の概要をまとめた下記の参考資料
がインテグラル・ジャパンのHPに掲載されておりますので、どうぞ参照くだ
さい:
「インテグラル・スピリチュアリティの諸条件」
http://www.integraljapan.net/articles/IntegralSpirituality_1.htm

2. 下條 信輔(1996)「サブリミナル・マインド:潜在的人間観のゆくえ」(
新書)中央公論社(Zone 5)

3. 下條 信輔(1999)「「意識」とは何だろうか:脳の来歴 知覚の錯誤」(
新書)講談社(Zone 5)

4. ハワード ガードナー(著)松村 暢隆(翻訳)(2001)「MI:個性を生か
す多重知能の理論」新曜社(Zone 5)(原書情報:Howard Gardner (2000). I ntelligence Reframed: Multiple Intelligences for the 21st Century. NY:
Basic Books.)

参加資格:どなたでもご参加いただけます。予約は特に必要ありません。多く
の方々のご参加を御待ちしております。

開催日時:1月17日(土)13:00〜16:30
開催場所:品川区立総合区民会館きゅりあん第1グループ室
      (http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/)
      東京都品川区東大井5-18-1
      JR/東急線 大井町駅前
参加費用:2,000円(当日現金払)

*インテグラル理論を理解するための諸々の参考資料がインテグラル・ジャパ
ンのHPに掲載されておりますので、どうぞ参照ください。過去の研究会におけ
る配布資料もダウンロード可能です。

鈴木 規夫 Ph. D.
インテグラル・ジャパン代表 (http://www.integraljapan.net/)
協力:非営利活動法人 にじの絵のぐ(http://www.nijinoenogu.jp/)

○オープン・ワークショップのご案内
初めてインテグラル・アプローチに触れる方にも気軽に参加していただける
オープン・ワークショップを、毎月開催していくことになりました。ただい
ま、1月〜3月分まで受付中です。

1.申込締切間近! 1月のオープン・ワークショップ
Integral Life Vision:インテグラル・アプローチで掴むあなたの使命
〜Changeの年 2009年の<私><関係性><仕事>〜
(2009年1月24日(土)13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop01.htm

2. 2月のオープン・ワークショップ
Integral Dream Work: インテグラル・アプローチで拡げるあなたの可能性
〜夢から探る統合的な成長と癒し〜
(2009年2月22日(日) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop02.htm

3. 3月のオープン・ワークショップ
AQAL Analysis:インテグラル理論で問題を解決する
(2009年3月29日(日) 13:30〜16:30 品川区立総合区民会館きゅりあん)
*詳細・お申し込みはこちらから
http://integraljapan.net/info/seminar2009openworkshop03.htm

○スタッフ紹介
メールマガジン恒例の、質問への回答を通して、インテグラル・ジャパンのス
タッフをご紹介するコーナーです。今回の質問は、2009年の年頭ということ
で、「2009年の抱負・目標は何ですか?」です。

「基本は、4象限いずれおいても、今まで取り残して隠してきた側面と"怖れず
向き合う"を常に意識して取り組むこと。今年の初夢から得たテーマは"浄化"
なのですが、これを思いめぐらした時、深層の"詰まり"を何とかしないことに
は水は流れないことに気付きました。今まで通りの日々のプラクティスにさら
に深く"井戸を堀る"実践を加え、そのための時間と気力・癒しを調整する必要
があると考えています」(依浮)
「どなたかの年始の挨拶に、"危機こそ変革のチャンス"という言葉がありまし
た。まさにそうなんだろうと思います。現在、あらゆる消費活動が減退してい
ます。これは、いい形での減退とはいえませんが、持続可能社会で求められて
いたこと。今年は、新しい社会システム・ライフスタイルの実現に向けて、多
少ながら貢献できればと、あまり気負わずに、考えています」(倉見)
「このところ、時間がこれまで以上に早く過ぎていくような気がします。少し
まえは、自分のまえに拡がる時間がまだたくさんあるように思えたのですが、
このところ、漠然とではありますが、己にできることが非常に矮小なものであ
ることを確実に認識しはじめている自分がいることに気づきます。今年もこれ
までと同様に求められること・与えられることに自己を開いていきたいと思い
ますが、同時に、こうした自己の内部に芽生えはじめた感覚に耳を澄ませなが
ら、己の課題を懸命に見出していきたいと思っています。」(鈴木)
「今勤めている職場でのお仕事(映像制作の専門職)が今年で4年目になりま
した。作業に慣れてきてますます創造的な部分に力を注げることが具体化して
いるこの現状を促進しつつ、それと同時に、自宅での制作環境を構築してこの
時代で自分が表現・貢献できるものを展開していくための第一歩を踏み出した
いと考えています。あともうひとつ割と気軽に目標としているものに姿勢を矯
正、特に足のゆがみを直すことがあります。一年でどれだけ変わることができ
るのか楽しみです」(高橋)
「人との絆を大切にし、日々の実践に取り組むこと。特に、去年できなかった
日本的な習い事(お茶、合気道など)を始め、日本的霊性探求の一助としたい
と思います。仕事関連では、メールマガジンの読者を500名獲得することと、
インテグラル・コーチングの勉強をすることが目標です」(千葉)
「昨年末に初めての子どもを産みました。今年は、まずは子育て。そして、現
代の諸問題を適切に対処する活動と、それに資する人材育成のプログラムに協
力することを目標としたいと思います」(藤井)
「坐禅とボディ・ワークを根気強く日々実践していくこと。それに加えて、
ハート・モジュールとして、創造的表現・芸術を実践する機会を作りたいと
思います。日本的な身体性の文化、伝統芸能、俳句や短歌といった精神性の
表現に触れることを通して、様々な世代、分野の人と交流できればと思いま
す」(山口)
「インテグラルに生きるためには、複数あるものの見方を磨く必要があります。
その際、それぞれの見方に長所を持つコミュニティに参加することは効果的で
すが、注意点に目を向ける必要もあるようです。まず、コミュニティを複数に
行き来する場合は、そこで自覚される複数の自分に注意を向けて管理していく
こと。もう一つの注意点は、うまく時間調整をしていくこと。08年は複数の
自分への注意でした。09年は、上手な時間調整を目標にしたいと思います」
(渡邊)

○編集後記
2009年の第1号はいかがでしたか? 今年、インテグラル・ジャパンでは、イン
テグラル理論と実践に関心をお持ちの方々へ、さまざまなプログラムやサービ
スの導入を考えております。まもなく発表できるものもありますので、どうぞ
お楽しみに。

*ご意見、ご感想などはお気軽にどうぞ! info@integraljapan.net
*本メールマガジンの送付先アドレスの変更、及び、配信不要の方は、info@i
ntegraljapan.netまでご連絡ください。

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インテグラル・ジャパン・メールマガジン No. 16
配信日:2009年1月12日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

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