Integral Japan Mail Magazine Vol.5

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                Integral Japan Mail Magazine  
                    No. 5 (2008/7/2)
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-----INDEX--------------------------------------------------------
【1】 いよいよ大詰め! インテグラル理論入門講座
【2】 6月の研究会のご報告
【3】 7月の研究会のご案内
【4】 インテグラル思想研究会 講義録より
【5】 他団体イベント紹介
【6】 スタッフ紹介
【7】 編集後記
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7月になりましたね。色々なものの値段が上がり、頭が痛い限りです。どうい
う仕組みで、こういう状況になっているのでしょう? 分析に、AQALがお役に
立つかもしれません(千葉)。

○いよいよ大詰め! インテグラル理論入門講座
6月15日に、インテグラル理論入門講座の第2回を開催いたしました。今回の
テーマはAQAL(社会)。第1回でカバーしたインテグラル理論の基本的な枠組
みと個人の意識の発達段階を踏まえ、個人と集団(社会)のダイナミズム、
及び、スパイラル・ダイナミクスの基礎について講義と実習を行いました。
共同体の役割、個的ホロンと集合的ホロンの違い(感性統合の法則=Regnant
NexusとDominant Monad)、single-loop learning/double loop learning/ triple
loop learning、AQALを用いて現代社会の諸問題を分析する方法、カテゴ
リー・エラーなどのトピックを扱っています。ご出席者からは、「難しかったけ
れど興味深かった」「実習があったのがよかった」等のご感想をいただいていま
す。第3回の講座では、実践というテーマを取り上げます。インテグラル理論は、
学ぶ者に優れて実践を求める理論です。それはなぜなのか? インテグラル理論を
実践するとは具体的にはどういうことなのか? ご一緒に掘り下げてまいりましょ
う。

インテグラル理論入門講座――2008年春期土日コース
日時:第3回:2008年7月20日(日)13:30−17:30 テーマ:実践
場所:大橋会館206会議室

*3回通し券の販売は終了しました。1回券にてお申し込み下さい。
*開場は、13:15頃の予定です。
*ご不明な点は、info@integraljapan.netあるいは03-6424-4853までお問い
合わせ下さい。
*お申し込みはこちらから:
http://integraljapan.net/info/seminar2008spring.htm

○6月の研究会のご報告
6月の研究会は、6月29日(日)に開催いたしました。今回は、『インテグラ
ル・スピリチュアリティ』の第5章、第6章を取り上げました。
第5章は「団塊世代(ブーメリティス)の仏教」。ウィルバーは、ベビーブー
マー世代の精神構造に特徴的にみられる病理を"Boomeritis" と呼び、その極
端な内面主義・価値相対主義に徹底的な批判をくわえています。ここでは、価
値相対主義・脱構築主義の問題点を確認し、日本という文脈において、それは
どのように表れているのか、特に団塊の世代の精神性・行動論理をどう囚えて
いるのか、ということを討議しました。
第6章はシャドウについて扱っており、個人だけでなく集団にもシャドウとい
えるものが存在しうること、シャドウをとらえるには構造の視点(個人の内面
の外側を照明するzone#2のアプローチ)が必要であり、瞑想(個人の内面の内
側を照明するzone#1のアプローチ)は有効ではないことを確認しました。ま
た、シャドウの統合の方法、タイプとシャドウの関係、無意識とシャドウの関
係、ケン・ウィルバーの時間論にも話が及びました。

○7月の研究会のご案内
7月の研究会は、7月21日(祝)に開催します。昨年は、10回にわたりケン・
ウィルバーの代表作『進化の構造』を取り上げました。今年は、数回にわたり、
ウィルバーの最新の理論モデル(ウィルバー5)を反映する著作である『インテ
グラル・スピリチュアリティ』を取り上げます。7月はその第4回となります。
インテグラル理論の深化と展開を理解する絶好の機会です。ふるってご参加下
さい。

参考文献:
ケン・ウィルバー、松永 太郎訳(2008)『インテグラル・スピリチュアリ
ティ』(春秋社)第7章〜第10章
鈴木 規夫(2007)「インテグラル・スピリチュアリティの諸条件」
http://www.integraljapan.net/articles/IntegralSpirituality_1.htm

開催日時:7月21日(祝日・月曜日)13:00〜16:30
開催場所:品川区東大井きゅりあん 第2特別講習室
      (http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/)
      東京都品川区東大井5-18-1
      電話番号:03-5479-4100
      JR/東急線 大井町駅前
参加費用:2000円
参加資格:どなたでもご参加いただけます。予約は特に必要ありません。
講  師:鈴木 規夫Ph.D.(インテグラル・ジャパン株式会社代表取締役)
主催:インテグラル・ジャパン株式会社( http://www.integraljapan.net/ )
協賛:非営利活動法人 にじの絵のぐ( http://www.nijinoenogu.jp/ )

○インテグラル思想研究会 講義録より
−−発達の三つのラインと前・超の虚偽(4)――
(前号より続き)
ライン3というのは、いわゆる、ウィルバーがSpiritと形容しているものです。
ウィルバーは"Always, Already"という表現を使いますが、これは「常に既にあ
なたが完全な形で体現している存在の根源的な基盤」ということです。皆さん
は、この瞬間にここにいることができる。世界を感じることができる。そして、
ここに、「私」と「他者」というものをあらしめることができる。こうしたあ
らゆるものを可能にする存在の基盤のことをSpiritと言っているんですね。

で、ウィルバーはこのスピリット、つまり、そうした存在の根源にある基盤の
ことを、本当の意味での仏教が目指している根源的なゴールだと言っているわ
けです。ただ、このスピリットというのは、あらゆる瞬間において、完全な形
で経験されている「経験」の土台になっているものですから、失われることは
ないんです。しかし、失われてしまったと錯覚することはあります。だから、
瞑想をして自分を鍛え上げれば鍛え上げるほどゴールに近づけるかというと、
そんなことはないというわけです。ゴールは常に既に完全なものとしてあなた
は体現している。そのことに気づきなさい、というわけです。努力そのものを
やめなさい、という言い方もたまにします。そういうことです。これは、あら
ゆる瞬間に完全なものとして存在しているのです。

ウィルバーは、これらの3つの発達ラインがあると説明しています。

一般的にウィルバーの著書を読むとき犯しやすい間違いには、こういうもので
す。

どうも、ウィルバーというのはガチガチの発達理論を主張しているひとであ
る。先ず自我ができあがり、それから、自我をのりこえる、あるいは、自我を
観照するもうひとりの自分ができあがる。こうして自我が透明性を獲得する段
階が来て、そこではじめていわゆる「トランスパーソナル」といわれる段階に
成長が突入する。ウィルバーは、こういうことを主張しているのだ。

と、まあ、こんなところですね。しかし、実はそんなことは主張していないん
ですね。むしろ、ウィルバーが主張しているのは、複数の領域(ライン)が同
時並行に流れているということなのです。

但し、実際のところ、われわれは、時空間のなかで社会生活を営んでいかなけ
ればならない。言葉を用いて他者との関係を結んでいかなければならない。で
すから、たとえこういう退行的なスピリチュアリティ(自我機能そのものを放
棄することを志向するスピリチュアリティ)を志向しても、実際には成功しえ
ないんです。多分、われわれは、言語という機能をいったん獲得してしまった
以上、多分、何らかの機能障害の状態(例:脳死状態)にならない限りは、こ
の段階にもどることはできない。もしくは、LSDを利用したりして、一時的に
生理的な機能を麻痺させれば、こういう段階にもどれるのかもしれない。しか
し、それらは、基本的には、日常から乖離したところに成立するものでしかあ
りえないんですね。

自我というものは必ずしも無駄なものではなくて、この時空間において、われ
われが人間として生きていくためには非常に重要な道具なのです。そもそも、
これが確立されていなければ、どこまでが自己でどこまでが他者かという峻別
さえできない。また、言語というのは、われわれの主体性を確立することをと
おして、思想活動や芸術活動を可能としてくれる意志の源でもあります。

ですから、ウィルバーが主張しているのは、ライン2やライン3というものを人
間が内部にもちながらも、それらを実際の時空間のなかで人間として体現して
いくためには、言語を基盤として確立される「自我」という道具が必要になり
ますよということです。そして、自我という道具がより高次の成熟したものに
なるほど――つまり、発達心理学者がいう「自我が発達・成熟して、自己中心
性が小さく」なるほど――自分が常に既に経験していた霊感というものを歪な
く体現することができるようになりますよ、そういう話です。

だから、本当の意味でウィルバーが提唱したいスピリチュアリティのあり方と
いうのは、こういう低いレベルの自我構造(解釈構造)を通して解釈・体現さ
れたものではなくて、個として、個人として、社会人として十分な成熟を積ん
だうえで、その道具である成熟した自我機能を通して解釈・統合・体現された
ものであるべきだということです。これがウィルバーのポイントですね。(20
08年1月の研究会より)(この項目終わり)

○他団体イベント紹介
国内外のインテグラル・コミュニティ、及び、インテグラル理論と関連の深い
分野のイベントのご紹介です。

*下記のイベントは、インテグラル・ジャパン株式会社が主催するものではあ
りません。ご参加にあたっては内容をよくご確認の上、ご自分の判断でご参加
いただきますようお願い申し上げます。

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インテグラル・エデュケーション・セミナー(ネクスト・ステップ・インテグ
ラル主催)8月1日−6日(ワシントン州ホイッドニー島)

「ゆりかごからコスモスまで」と題し、インテグラル理論を教育・社会変容に
応用していくための方法を探求します。インテグラル理論の第一級の理論家、
Susanne R. Cook-Greuter博士、インテグラル・スピリチュアル・センターの
Diane Musho Hamiltonなど、多数の理論家・実践者が講師として参加します。

詳しくはこちら:
http://www.i-edu.org/index.php
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女性のためのインテグラル・プラクティス(ロータス・ラウンジ主催)
10月15日−19日(マイアミビーチ)

インテグラル・インスティテュートでもおなじみの講師、Diane Musho
Hamilton(禅指導者、Mind/Spirit領域担当)とSofia Diaz(ヨガ教師・ダン
サー、Body/Heart領域担当)による女性のためのインテグラル・プラクティス
合宿です。

詳しくはこちら:
http://www.lotuslounge.us/Lotus_Lounge/Events/Entries/2008/5/13_Womens
_Integral_Practice_Five_Day_Retreatwomen_practicing_love_and_compassio
n_with_diane_musho_hamilton%2C_sensei_and_sofia_diaz.html
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「エニアグラム入門ワークショップ」(C+F研究所主催)
7月5日(土)〜6日(日) 10:00〜17:00 (東京)

エニアグラムは、9つの性格タイプごとの特徴、世界観、動機、行動スタイ
ル、エッセンス(本質的資質)などについて、驚異的なまでの自他理解をも
たらします。また、可能性を妨げる習慣的思考・感情・行動パターンについ
て、タイプごとに具体的に明らかにします。とくにリソ&ハドソンによるエ
ニアグラムは、性格分類という横軸に、成長のレベルという垂直のレベルを
追加したことにより、ケン・ウィルバーも「心についての真に統合されたモ
デルのひとつ」として、高く評価しています。 詳しくはこちら:
http://www.transpersonal.co.jp/work/ennea.html#intro

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○スタッフ紹介
インテグラル・ジャパン株式会社のスタッフ紹介企画第2弾です。今回の質問
は、「ITP/ILP(統合的実践)のMindのワークとして、どういうことをしてい
ますか?」

「日常の所感を簡潔にまとめて、BLOGとして発表しています」(鈴木)
「ヴィジョンを明確にし、瞑想の前にアファーメーションを行っています」
(山口)
「読書の時間をしっかりと取るようにしています」(依浮)
「最近は、Capacity Evolution Coachingの課題。大変ですが勉強になります」
(千葉)
「テーマを決めて読書、リサーチをしています」(高橋)
「物事を多面的に見られるようにと、週最低2冊は本を読むようにしていま
す」(倉見)
「学校での指導・改善、また教育分野で知人と共同研究を行っています」
(藤井)

*統合的実践については、こちらをご参照下さい:
http://www.integraljapan.net/articles/for_itp_1.htm
*Capacity Evolution Coachingについては、メールマガジン第4号、あるいは
こちらをご覧下さい:
http://ikan.biz/blog/capacity-evolution/

○編集後記
メールマガジン第5号はいかがでしたか? インテグラル・ジャパンでは、入門
講座を運営しつつ、今年後半の企画を練っています。まもなく、お知らせでき
るものもありますので、どうぞお楽しみに。

*ご意見、ご感想などはお気軽にどうぞ! ⇒ info@integraljapan.net
*本メールマガジンの送付先アドレスの変更、及び、配信不要の方は、
info@integraljapan.netまでご連絡ください。

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インテグラル・ジャパン・メールマガジン Vol.5
配信日:2008年7月2日
発 行:インテグラル・ジャパン株式会社
http://www.integraljapan.net/
発行人:鈴木 規夫
編 集:千葉 絵里

*無断複製・転載を禁止します
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