スパイラルダイナミクスによるコンサルティングの実例


 スパイラルダイナミクスによる大規模な実践は、1981年から1999年の間の計63回にわたるドン・ベック氏の南アフリカ訪問からとなります。

 

ミドルバーグ製鉄(Middleberg Steel & Alloys: MS&A社)

 1980年、MS&A社(現在の南アフリカ・コロンブス・ステンレス・スティール社、プレトリアから東へ180キロのところに位置し、鉄・クロム・ステンレス合金などの産出・精錬、当時の従業員数は4000人)が、ドン・ベック氏にコンサルティングを依頼。当社オペレーション・ディレクターのデス・ウィンシップ氏が、米国の学会においてドン・ベック氏と会合し、当社により、ドン・ベック氏は南アフリカに招かれました。

 ドン・ベック氏は、MS&A社トップ・マネジメントチームを対象に「ストラテジック・バリュー・ワークショップ」を実施。これは、オペレーション業務、販売業務、マーケティングエンジニアリング業務、ファイナンス業務、保健業務、セキュリティー業務、人事業務など、全ての業務領域における価値意識を把握しながら、「MS&A社全体のストラテジー」を作り出すためのワークショップでした。このワークショップは、「MS&Aユナイテッド」とも呼ばれ、組織の全階層を対象に"バリュー・ワークショップ"を実施しながら、「社員全体の視点から必要なものは何か」を調査・吟味・理解するものでした。

実績:

1) この時期に当社は、生産性・輸出・安全性の面で数多くの(南アフリカの)ナショナルアワードを受賞。
2) このアプローチにより一つの「社内文化」をつくり出したことは、80年代・90年代の南アフリカで広く公表され、他の企業でも利用されました(南アフリカの大手企業として国内の経済活動全般にわたり14万人の社員を有するバーロウ・ランド・グループもその一つ)。

 

MS&A 2000

「MS&A 2000」とは、「MS&Aユナイテッド」への自然な流れを先導するプログラムです。このプログラムは、「21世紀の企業」というビジョンを目的とし、「MS&Aユナイテッド」と共に、企業運営業務の全般に渡って影響力を行使する先導モデルです。共同体設立にも範囲を拡大していくモデルです。

実績:

  1. MS&A社は、南アフリカの自動車製造業界における優良企業の位置を獲得。
  2. ミドルバーグ郊外のムルジでの若年失業者に対する雇用創出を先導し、結果的として、20代・30代の未訓練・若年失業者に多くの就業機会を提供。
  3. 「ミドルバーグ・イニシアティブ」という名により、MS&A社の経営陣がメンバーとなって独立町議会(タウン・カウンシル)を形成、地方経済の拡大によるミドルバーグの発展を促し、町の多様な価値観や人種差別的な状況を統合していくことに尽力。結果として、町議会は「統合(インテグレーション)こそが最善策である」という見解にいたりました。
  4. こうしたことの結果として、MS&A社の会長、ジョン・ホール氏は、1934年から94年の選挙移行期間において、国家的和平協定主導の任に就くことを依頼されました。

 

南アフリカにおける"企業以外"での実績

  1. ドン・ベック氏とグラハム・リンコット氏(有名な政治記者)は、多様な価値観の統合や各組織間の統合について、MS&A社に関する6編の新聞記事を執筆。ネルソン・マンデラ氏やその他のプレトリアの国家・政治機関のメンバーが記事を読み、後日、彼らは「ドン・ベック氏が国家運営に関する彼らの取り組みを変えるきっかけとなった」と述べています。
  2. ドン・ベック氏とグラハム・リンコット氏は、共著で『Crucible(厳しい試練)』を出版。本書は、当時の南アフリカを記述しながらも、先進国と第三世界、南北問題、貧困格差、人種差別といった地球規模の問題への解決策を述べているものです。
  3. ネルソン・マンデラ氏は、ドン・ベック氏に、1995年のラグビーワールドカップに際して、南アフリカのナショナル・ラグビーチーム専属の心理学者となるよう依頼。これは、南アフリカ統一のためのシンボルを作り出すことを目的としていました。南アフリカは、その年のワールドカップで優勝。

南アフリカでの成果により、スパイラルダイナミクスは、世界中の企業、政府機関、研究機関、教育機関、スポーツチーム等でも求められ、利用されるようなりました。大手銀行、米国の航空会社5社、世界的に主要なエネルギー資源の企業、重工業企業(鉄鋼・アルミニウム)、病院、保健機関、法律系機関、都市政府機関、その他の公共機関などでも利用されています。

これらの中には、IRS(米国税務署)、米国軍事技術機関(US Army Corps of Engineers)、EPA(米国の政府系研究機関)、米国森林管理局(US Forestry Service)、米国軍事車両司令部(US Army Tank Command)、その他が含まれます。また、世界未来学会(The World Future Society)、米国開発訓練協会(The American Society for Training and Development)、ビジネスコミュニケーション国際協会(The International Association of Business)、ヤングプレジデント組織(The Young President Organization)、エドワードデミンCEOシンポジウム(Edward Deming CEO Symposium)などでもスパイラルダイナミクスは取り上げられました。スポーツ関係では、1995年ラグビーワールドカップ優勝チームである南アフリカ・スプリングボックを始めとして、ダラス・カウボーイズ、ニューオリンズ・セインツといったチーム、野球では、テキサス・レンジャーズ、そして、米国オリンピック協会(陸上競技)においても取り上げられました。

主要なプロジェクトや実績に関する詳細は、以下のとおりです。


企業関係

アメリカン・エアライン社

ドン・ベック氏とクリストファー・コワン氏は、スパイラルダイナミクス(以下SD)を使用して、アメリカン・エアライン社の「ミーム的文化」を調査。ドン・ベック氏は次のように述べています。「顧客とのより価値のあるコミュニケーションを実現する一つの方法は、社内での研修や訓練を見直し、社員がより自然に仕事に携わることができる優れたワークフォース(労働力)を作り出すことです。vMEMEプロファイリングを使用して、スーパーバイザーとフライトアテンデンツが自然に共同しながら働くことができる組み合わせを実現させました。これにより、アメリカン・エアラインは、経費削減をもたらすことができました。社内研修や訓練で人々に無理を強いる必要なくなったからです。」

実績:

1) 「リストラ」を行わずに経費削減を実現。

2) より効果的な社内研修訓練プログラムの導入。

コノコ社

(コノコ・コーポレート大学の外部教授として)ドン・ベック氏は、SDを使用して、コノコ社における「ダッシュボード」というシステム構築の援助。「ダッシュボード」とは、社内全体のモニターシステム・情報センターとして、社内外との関わりにおいて発生する「パルス」を追跡・調査するものです。また、コノコ社が、オクラホマのフィリップス石油社(Phillips Petroleum)やゴルフ・カナダ社(Gulf-Canada)との間で、より創造的な合併の方法を遂行する際にも、SDが利用されました。

実績:

1) 組織規模(国際規模)のモニター・データベースを構築し、当社がどのような働きかけを行うべきか、どのような変革を行うべきかを把握。

2) より優れた戦略的な合併を実現。



サウスイースト・エアライン社

当社とのコンサルティング業務において、ドン・ベック氏は、SDを使用して、「個人間の調和を考慮したコミュニケーションプロセスの合理化」を図りました。これにより、製品と消費者/顧客との間での同じ「心理学的言語」の共有が可能となり、相性が合致する確率という「適合可能性」が向上。ドン・ベック氏は、ミームの特に価値意識に着目した「vMEMEプロファイリング」という技術を用いて、「現場の最前線で働く社員たちに、統一された文化的自覚をもたらし、結果として、それは、企業特性(corporate identity)の一貫性強化につながりました。」

実績:

サウスイースト・エアライン社は、9月11日(セプテンバー・イレブン)以降、ただ一人の社員をも辞めさせることがなかった唯一の米国大手航空会社。そして2001年下半期において収益増加を公表したトップ10航空会社です。



政府関係

  • ネルソン・マンデラ大統領は、(南アフリカにおける)和解戦略の検討に際してSDを使用。
  • 1999年、トニーブレアー首相の政策部門は、英国および国外における「第三の道」を先導・実施していく際、その調査にSDを使用。
  • 現在、SDは、犯罪や貧困の問題、「国家建設」のため、ヴィンセント・フォックス・メキシコ大統領および250人のメキシコ政府高官に使用されています。
  • SDは、アフガニスタンやバルカン諸国の国家建設のためにも使用されています。
  • シンガポール政府は、SD/アーリントン協会のプロジェクトのために1400万米ドル(約14億円)を提供。LISAと呼ばれるこのプロジェクトは、インタネットを用いて世界の「ホットスポット(危険地域)」をトラックしようとするものです。
  • サウジアラビアの文部大臣は、ドン・ベック氏および彼と協業するコンサルタントチームに、サウジアラビア全体の教育システムの再計画を依頼。

特集・スパイラルダイナミクスに戻る