インテグラルな人びと・第2回 久保 隆司さん

メルマガNo60-62より転載 (2012/07/22-10/19)

インタビュー・シリーズ「インテグラルな人びと」第2回は、『インテグラル理論入門 I・II』の共著者のお一人である、久保 隆司さんです。久保さんは、ジョン・F・ケネディ大学大学院にて身体心理学(Somatic Psychology)を専攻され、インテグラル理論の枠組みを使いつつ、身体心理学を包括的に紹介するという意欲的な著書、『ソマティック心理学』を上梓されています。留学を決意された経緯、インテグラル・アプローチとの出会い、そしてご著書等について伺いました。

第一回

Q1. 商社マンから留学を志し、ソマティック心理学を学ばれた経緯については、ご著書『ソマティック心理学』のあとがきで触れられていますが、よろしければ、メールマガジンの読者の皆さんに、改めてお話しいただけますか?

A.1 読者の皆さんの参考になるかどうかわかりませんが、少し話しましょう。

もともと大学の学部時代は、文化人類学を専攻していて、スピリチュアルな分野の本もそれなりに読んでいました。そして、卒論のテーマを『千年王国としての多国籍企業論』にしようとしたのですが、当時はネット社会ではなく、情
報の入手が困難であったことであきらめました。そのかわりといっては何ですが、卒業後は、スピリチュアルの世界はまりすぎるのはバランス的に良くないと考え、多国籍的経済活動をする総合商社に就職しました。実物経済を媒体として、地球上の異なる文化に属する人々と様々なかたちでむすびつくことができる領域に興味を持ち、お金/商売の世界に飛び込んだのです。当初は、会社が嫌になればやめればよいとの(現代の若者にも通じる?)考えもありましたが、バブル、そしてその崩壊過程から、21世紀初頭の経済大国としての中国の勃興まで、最前線における体験者/観察者としての経験はある意味エキサイティングで、結果として海外駐在を含め15年間の在籍となりました。そして次のステップに移る機が熟していることを強く感じ、その思いを実行し、留学したのです。

漠然ながらも留学を考え始めたのは、入社7年目くらいでしょうか。このメールマガジンの読者の方々は、インテグラル理論やケン?ウィルバーにご興味のある方ばかりでしょうが、私自身、それが高じて、ウィルバーに絡んでトランス
パーソナル心理学やイングラル理論を本場で学ぼうと考えたのです。しかし、30歳を過ぎてから、留学資金を貯めたり、英語力をつけたり、また仕事の区切りもあり、結局、さらに7年ほどの準備期間が必要でした。

留学先に関しては、当初はトランスパーソナル心理学を学べる大学院を探し、ITP(トランスパーソナル心理学研究所), CIIS(カリフォルニア統合学研究所), JFK大学, ナローパ研究所(現?ナローパ大学)などの学校のHPを覗きました。その過程でITP以外の三校には、ともに“ソマティック心理学”というプログラムも設けていることに気づいたのが、ソマティック心理学との出会いです。

当時から身体性に根づいた、いわば“地に足のついたトランスパーソナル心理学”を志向していた私にとって、ソマティック心理学はとても魅力的に見えました。そして新しもの好きの私は、サンフランシスコ近郊で交通の便もよく、フレキシブルな四学期制をとり、またプログラムディレクターもフレンドリーだったJFK大学大学院のソマティック心理学科への進学を決めたのです。

Q2. ご専門のソマティック心理学は、「主観と客観のバランス、心と脳のバランス、特殊性と普遍性のバランスなどに注目し、心身を抱えて生き抜くための学問および実践」(『ソマティック心理学』あとがきより)ということですが、もう少し詳しくご解説いただけますか?(300ページを超えるご著書で述べられていることをこの枚数で、というのは無理難題であると十分承知しておりますが・・・)

A2. 詳しくかどうかはわかりませんが、少し話してみます。一人一人のユニークな体験を通して形成されてきた主観的存在としての心理の問題に、神経生理学、生物学など、客観的な存在である脳や神経組織、身体器官に対する知見を統合的に用いることで、ホーリスティックな視点からアプローチする心理学が、ソマティック心理学です。情動(または感情)を媒介にして、身体と心理との密接な関係性が近年ますます明らかになってきています。死後の世界はともかく、生きている間は心と身体なしに、この世に存在することは一瞬たりともありえません。そうであれば、素直に生身の身体、そしてその背後にあって心身を包み込んでいる自然と向き合い、様々なチャネルを通じての“会話”を少し
でも豊かなものにすることが望まれます。その構造や方法を学問的に追求するのがソマティック心理学なのです。 

インテグラル理論の用語を使うと、左側象限(心、身体意識、内面、主観、一人称)と右側象限(脳、物質的な存在としての身体、外面、客観、三人称)の双方をバランスよく見ることや、身体的な意識からインテグラル段階(心身統
合/ケンタウロス段階)の意識までの発達のスペクトルを考慮することによる、インテグラルな(またはホーリスティックな)心理学/心理療法が、ソマティック心理学といえるでしょう。広義のソマティック心理学として、より身体性の
方向にシフトしているソマティックス(ボディワーク)、ダンス/ムーヴメントなどの関連分野も含むことがあります。

皆さんご存知の通り、古代では洋の東西を問わず、心(精神、または魂)と身(肉体)のむすびつきから人間は成り立っていると考えられていました。しかし、特に西洋社会においては、キリスト教的な身体蔑視観や、17世紀のデカルト以後の近代合理主義思想、その後の還元主義的な科学思想の潮流において、心と身体は相反する存在として、主であるべき心と従であるべき身体という対立関係として、捉えられてきたという経緯があります。合理主義思想に基づく(自然)科学が客観性、普遍性や普遍的法則を重視するのは妥当ですが、恣意的、狭窄的な還元主義に安易に便乗し、個別性や特殊性を排除するようなことがあれば、それによってものごとの大切な本質が失われてしまうことでしょう。

幸いなことに、特に20世紀の後半から、人間を理解するには、心と身体の密接な関係性の観点が、非常に重要であると考える人が増えてきました。第二次世界大戦後の東洋思想や実践(行法)の西洋社会への伝播(ヒューマン・ポテンシャル・ムーヴメントなど)の影響もあることでしょう。心理学の領域においても、言語を通じて専ら心(エゴ、自我)を扱う心理学/心理療法だけではバランスを欠き、ノンバーバルの領域や、無意識へのアクセスルートとしての身体性などが注目されるようになってきたのです。21世紀はこのような全体性に目を配り、バランスを重視する方向性が、さらに健全に成長していくことが時代の要請であり、実現することを願っています(次号へ続く)。

 

第二回

インタビュー・シリーズ「インテグラルな人びと」第2回、久保 隆司さんの回の続きです。著書である『ソマティック心理学』について、また、弊研究所代表・鈴木 規夫等との共著『インテグラル理論入門』について、伺いました。

Q3. ご著書を拝読して、包括的であると同時に頭の中に見取り図が作りやすいこと、「一人称、二人称、三人称」というインテグラル理論ではおなじみの用語が出てくることなどから、本の作り方そのものがインテグラル的だなあ、という感想を持ちました。久保さんにとって、インテグラル理論&実践は、どのような意味を持つものなのでしょうか? あるいは、どういう存在ですか?

A.3 『ソマティック心理学』(春秋社、2011)を書くことは、インテグラル理論の有効性の実証実験の一つでした。インテグラル理論を知る知らないに拘らず、複数の方々から、わかりやすいとのご感想を頂いており、ひとまずこの実験は成功だったと感じております。

私が米国で学んだ専門分野は、大きく分けるとソマティック心理学とインテグラル理論の二つですが、インテグラル段階の重要性を明示したインテグラル理論とインテグラル段階の実践的アプローチを提供するソマティック心理学は、非常に相性が良いのです。当然といえば当然のことではあるのですが、当初からこのことを明確に自覚していたわけではありません。最初は両者の関係性にはむしろ無頓着で、ただ興味があるとのことで平行して学んでいたのですが、両者はその理論と実践の両輪であるという認識が様々な場面を通じて形成されていきました。次第に顕らかになってきた感じですね。次第にというのは、インテグラル理論自体がほぼ今日の姿(ウィルバー5)へと次々に(ライブ感をもって)展開し、整備されてきたのが、2000年から2006年の間に掛けてであり、運がよいことに私の留学期間とも大きく重なるのです。

さて、インテグラル理論の第一の目標は、インテグラル段階への意識の成長のわけですが、既に述べたように、ソマティック心理学はそのための実践として最も適切な手法であると考えています。ウィルバーがトランスパーソナル心理学でトランスパーソナル段階についての左上象限的探求態度から、インテグラル段階の四象限的探求態度へと重心をシフトしたことは、いわば小乗から大乗への変容といえるでしょう。インテグラル理論の整備に伴って、心身の統合や二人称的な関係性の重視が、インテグラル段階への発達のために必要不可欠であることが明確となってきたことで、ソマティック心理学が、今日のインテグラル段階目前の意識の発達段階にいる21世紀の人類にとって、最も影響力のある重要な心理学たりうることを私は自覚しました。そして(どちらも大勢から見ると、マイナーな存在ということもありますが)、インテグラル理論とソマティック心理学の双方に通じている者は(世界的にも)少ないので、自覚し
た以上、両者の結びつきを目に見える形で世間に知らせる必要があると考え、『ソマティック心理学』の執筆の動機にもなったのです。したがいまして、『ソマティック心理学』は、ソマティック心理学の著作であるのと同様に、インテグラル理論の著作といえるでしょう。

また同時に、ご指摘のように本そのものの作り(構造)がインテグラル理論の実践例であります。つまり、『ソマティック心理学』は、二つを学んでいたから自然と両者のテイストがブレンドされたのではなく、最初から、意識的にインテグラル理論を本の枠組みとしても導入し、作り上げた著作です。

『ソマティック心理学』において、インテグラル理論そのものは最終章にしか登場しませんが、第一章から“三つの人称”の説明を加え、本文でも適切に人称を使い分けながら、インテグラル理論を、本書全体を貫徹するメタフレーム
ワークとして使っています(必ずしもその全てが成功しているとまではいえませんが、少なくとも意図はしています)。また、個別に紹介した事項や技法は、類似のものと差し替えても問題ありません。もし古くなったデータや廃れた技
法などがあれば、別の最新のデータやより適切な技法と、ILPのモジュールのように、交換的に置き書き換えることができるのです。読者の方が、より個別性に沿った形で、理解を深めていただき、実践とつなげていただければよいのです。このようなことが、インテグラル理論を知らない人でもわかりやすい印象を与え、インテグラル理論をご存知の方には、より親しみやすく感じられる理由なのではと思っています。

Q4. 久保さんは、『インテグラル理論入門』の共著者のお一人でもいらっしゃるわけですが、執筆にあたって留意されたことは何でしょうか? また、読者にどんなことを伝えたいと思って執筆に取り組まれましたか?

A4. 鈴木規夫さんらとの共著『インテグラル理論入門I & II』は、インテグラル理論への間口を拡げ、この二冊さえ読めばインテグラル理論に基づいた議論が曲がりなりにもできることを目指して企画されたものです。

私は2007年秋に帰国しましたが、鈴木さんはたしか2005年に帰国され(バークレーの公園での送別会も思い出されます)、インテグラル・ジャパンも立ち上げられていました。それとは別に非営利の学会組織のような受け皿、たとえばインテグラル理論協会の設立の可能性なども話し合ったこともあります。ただ、残念ながら、日本ではインテグラル理論の研究者がほとんどいない実状からも棚上げとし、その代わりに基本教科書の役割を果たし、日常生活に
おいても簡単に使えるようなインテグラル理論の入門書の出版が先決ということになりました。

ウィルバーの本が難しいという先入観から読まず嫌いの人が多くいるであろうことや、携帯性という点でも問題があること、邦訳された多くの著作も絶版になっていること、また誤訳もあることなどから、わかりやすくインテグラル理論の基礎を紹介する本の出版が最低限必要だと感じていました。現地で、いわばウィルバーから直接インテグラル理論を学んだ日本人は、鈴木規夫さんと私の二人しかいませんので、インテグラル理論を少しでも多くの日本人に知って
もらい、とにかく気軽に応用してもらうための行動を自分たちでおこさないと、という責任を感じていました。鈴木さんも同様の気持ちだったでしょう。

タイミングのよいことに、当時『実践インテグラルライフ』(春秋社)の翻訳に取りかかられていた鈴木さんが、共同プロジェクト案を春秋社さんに相談され、入門書の企画が実現することになったのです。

執筆に関しては、まず基本を知ってもらいたいという意識が私に強かったことから、自然と私自身の執筆分担も決まっていった感じです。結果的に私の分担箇所は大きくなりましたが、当初から決まっていたわけではありません。結果的にそのようになったのです。特に、『II』で私が担当した第一部・理論編は、当初計画されていませんでした。インテグラル理論の基本書としては、『I』では紹介できなかったウィルバー思想の世界観を、たとえその輪郭だけでも紹
介する必要があると思ったので、それに1章分をあてることを提案しました。ただ実際に書き始めると、1章だけでは、ウィルバーの世界観の基礎すら紹介することは(当たり前と言えば当たり前でしたが)不可能であることが明白と
なり、結果的に第1部は4章構成となりました。ちなみに“ウィルバーの世界観”は、当初、第一部のタイトルとして私が付けていたものですが、編集者の意向で『II』 全体のサブタイトルとなりました。

当初、「ソマティック心理学へのインテグラル理論導入の可能性」といったような1章も書くことも考慮したのですが、私は『II』において、結局、応用編的な章は書きませんでした。それは、ウィルバーの翻訳書の多くが絶版であり、また将来絶版となる可能性も非常に高く、また過去の訳書に誤訳等も散見されるため、基本的な世界観のまとめをここで書きとめておくことが、後学の方にとっても、簡便性の観点から意味があると考え、個人的に第一部を書くことを
優先事項としたからです。また応用編に関しては、インテグラル・ジャパンの代表として日本で一から実践的活動を続けられてきた鈴木さんに任せればよいという考えも基本的にありましたし。

そして私の方は、これら共著では書けなかった応用編の一例として、『ソマティック心理学』をまとめあげることにしたのです。流れとしましては、『インテグラル理論入門』でインテグラル理論の基礎整理作業を踏まえた上で、ソマティック心理学を対象にしたインテグラル理論の応用例を試みたということです。この文脈において、『ソマティック心理学』は、私にとっての『インテグラル理論入門III(応用編、番外編?)』 なのです。

 

第三回

インタビュー・シリーズ「インテグラルな人びと」第2回、久保 隆司さんをご紹介する最終回となります。今後の構想や夢などについて伺いました。

Q5. 今後の構想や夢など、お聞かせいただければ幸いです。

A5. できれば『ソマティック心理学』の続編のようなものを書きたいと思っています。

『ソマティック心理学』は、ソマティック心理学という学問分野の存在を日本の皆様に知っていただき、その豊かな内容を紹介することを第一の目的として書いた著作です。第4部の10章や11章は、個人的な嗜好(?)を多少意識的に出した内容ですが、他の章では、様々なものを出来るだけ公平に扱い、好みを押さえることも心がけています。なぜなら、ソマティック心理学は私が考えたものではなく、欧米でも既に存在している学問領域だからであり、私個人の色眼鏡が強すぎると、ソマティック心理学や身体心理学に対する不用意な先入観を読者に与えることを恐れたからです。この段階で間口を狭めたくはありませんので。よって、ソマティック心理学の基本を知るために大切であると判
断した事項や手法は、個人的にさほど興味がなくてもある程度の解説を加えてあります。もちろん、無味乾燥な項目の羅列的な意味での教科書ではありませんので、まったくつまらない内容は書いていないつもりです。

以上のような流れの延長として、『ソマティック心理学』にちりばめた素材を活用して、同じく「心身統合」をテーマとしながらも、もう少し踏み込んだ著作を書き上げたいですね。抽象的な表現かもしれませんが、普遍性(ユニバーサリティ)と特殊性(ローカリティ)を十分吟味しながら、日本および日本人のアイデンティティ、または精神性と身体性の基本構造に関する理解を、近世の思想史も踏まえた上で深めることに寄与できる作品を将来書ければと思います。この部分の理解を再検証することなしに、あれほどの原発事故に遭遇しても、基本的な危機感に欠け、臆面も無い言動を続けている少なからぬ“知識人”、“政治家、”“経済人”が蔓延している日本社会の意識レベルが進むことはなく(それどころか、基底となるべき、本能レベル、または健全な生物?動物レベルでの意識?身体機能が破損、退化していることを危惧するべきなのでしょうが)、日本人一人一人にとっての未来もないと考えています。今日の日本において、ソマティック心理学的なスタンスの学問や手法が、重要な役割を期待される所以でもあります。

執筆研究以外では、当面は、東京や関西で、現在もおこなっている勉強会やワークショップの活動を地道に継続して行くことになると思います。インテグラル理論に関しても、ソマティック心理学に関しても、少しずつ理解者は増えてはいると思いますが、組織的に何かを行うゆとりがないのが現状です。将来、そのような人たちと協力しながら、何か新しいものを生み出す活動ができればいいですね。

Q6. 読者の皆さんに、何かメッセージ等ございましたらお願いいたします。
 
A.6 ちょっと古いですが、儒教の『大学』の言葉に、「修身斉家治国平天下」という有名なものがあります。まず自分自身の身を修めることが、家庭や社会、延いては世界全体の平和につながるということですが、心身統合とインテグラルな世界の実現との密接な関係性(調和)が述べられているものと解釈しています。

(私自身を含め)皆さんの一人一人が、さらにインテグラル理論に親しんで、理解を深めて、身を修めて、それぞれの分野でやるべきことを実践?実行していくことが、日本国および日本人の質の低下が危惧されるこの危機的時代にお
いて、一つの大きな救いになると思います。もちろん、その効果が世界中に波及して行くことも間違いありません。好奇心をもって、一緒にこの時代をたくましく生きていきましょう。
 
最後になりますが、『ソマティック心理学』が、インテグラルに向かって行くためのきっかけの一つとして、手がかりの一つとして、少しでも多くの皆さんに読まれる一枚の地図になることを祈っています。


久保隆司さん略歴

大阪大学人間科学部卒。米国ジョン・F・ケネディ大学大学院修了。臨床心理士。
著作:
『ソマティック心理学』(春秋社、2011、単著)
『インテグラル理論入門I ウィルバーの意識論』、『インテグラル理論入門
II ウィルバーの世界論』(春秋社、2010、共著)
『PTSDとトラウマの心理療法 心身統合アプローチの理論と実践』、『PTSDと
トラウマの心理療法ケースブック 多彩なアプローチの統合における実践実例』
(創元社、2009、訳書)
ホームページ http://web.mac.com/integralsomatics